特にモラハラなんかは、自分が被害者だとは気づきにくいんだ。
じゃあさ、もしかしてモラハラかな?って思ってる段階から、証拠集めとか慰謝料請求までするのって、難しいわよね?
リリ子さんももしかしたら被害にあっているのかもしれないから、今回はそのことについて確認しながら説明していくよ。
ありがとう!
あなたは、DVやモラハラかどうかわからないけれど、「最近なんだか辛い」、「私がダメなばかりにうまくいかないことが増えた」と感じていませんか?
DVやモラハラの加害者は、相手を責めることで「あなたが悪い」と思わせる傾向にあるため、被害者はなかなか気づけないことが多いのです。
今、配偶者にされていることが「DVやモラハラでないか?」をチェックしておくことは非常に大切です。
「自分のせいで配偶者に怒られる」と思うことが多い人は、一度モラハラやDVでないか確認してみましょう!
また、いま現在、夫や妻のDVやモラハラに悩んでいて、この記事にたどり着いたケースもあるでしょう。
どのような理由であれ、物理的な暴力や言葉の暴力は許されることではありません。
夫婦はあくまでも同等の権利を持ち、平等であると憲法24条でも定められています。
どちらかが偉い、一方の言い分のみを尊重しなければならない、という決まりはないのです。
あなたがいま、DVやモラハラに悩んでいるのなら、すぐに証拠を集め、自分の身を守る準備を始めることをおすすめします。
できるだけ早く、今の辛い環境から抜け出し、あなたが幸せな毎日を送るための手助けになればと思ってますので、ぜひ読み進めてみてくださいね。
モラハラやDVで辛い思いをしているのに、離婚の際に別の問題でも悩むなんて嫌ですよね。
トラブル回避のためにも、早々に解決しておくべき問題があることを忘れないようにしましょう!
目次
1.もしかして気づいてない?DV・モラハラの具体例
もしかして、旦那さんからDVとかモラハラの被害にあっているとか?
そうじゃないんだけど、私は旦那にきつくあたることが多いから、モラハラになってたりしないかな?って・・・
リリ子さんが離婚を切り出す前に旦那さんに何か言われたら大変だもんね。
それに、旦那からモラハラを受けているような気がしなくもないし・・・
まず、最初に明確にしておきたいのは、「そもそもDVとは何か?」、「そもそもモラハラとは何か?」です。
DVとは何のこと?
DVは「ドメスティックバイオレンス」を略した言葉です。
ドメスティックは「家庭内」、バイオレンスは「暴力」のことなので、夫婦間の暴力のことを指します。
この場合の暴力は、叩く・殴るなどの身体的なもの以外にもいくつか種類があります。
DVの種類
1.身体的DV・・・平手打ち、殴る、蹴る
2.精神的DV・・・暴言を吐く、威圧的な態度をとる
3.経済的DV・・・給料を渡さない、小遣いが少なすぎる
4.社会的DV・・・外出させない
5.性的DV・・・性交を強要する
この中でも、離婚に繋がりやすいのは身体的DVと言われています。
また自分がDVを受けていると気づきにくいのは、社会的DVや経済DV、精神的DVです。これは、一種の洗脳のような状態に陥ってしまうため気づけなくなるケースが多いからです。
離婚に繋がりやすい身体的DVの具体例とは?
離婚に繋がりやすい身体的DVとしては、以下のようなものがあります。
1.平手打ちをしてくる、殴ったり蹴ったりしてくる
2.髪を掴んで引っ張ってくる
3.タバコの火を押しつけてくる
4.モノを投げつけてくる
5.刃物や凶器で脅してくる
6.部屋や車などに監禁する
7.食事を与えない、または制限する
8.首を絞めてくる、胸ぐらを掴んでくる
など・・・
身体的DVは、ケガを負うなど、周りから見ても暴力に気づきやすいので、シェルターに保護されたり離婚裁判で離婚が認められるケースが多いです。
暴力を振るわれている場合は、すぐに誰かに相談し、身を守るための方法を考えましょう。
モラハラとは何のこと?
モラハラは、「モラルハラスメント」を略した言葉です。モラルは「道徳や倫理」、ハラスメントは「嫌がらせ」のことなので、精神的暴力という意味になります。
「お前はおかしい」や「バカ」、「異常だ」など相手を人として否定するような言葉を投げかけることが多いです。
付き合っているときは感じなくても、結婚してからしばらくしてモラハラに気づくケース、モラハラを受けていても気づかないケースもあるので、まずはモラハラに気がつくことが重要なポイントになってきます。
モラハラに気づいた場合、そこから離婚に発展することもしばしばあります。
被害者は気がつかない?!モラハラの具体例とは?
なかなか気づくことができないモラハラの具体的な例としては、以下のようなものがあります。
1.「バカ」「ダメな人」と言ってくる
2.大したことじゃないのに「なんでそんなことも知らないの?」とバカにされる
3.理由もないのに無視される
4.理由は言わないのに明らかに不機嫌でいる
5.あなたの趣味や考え方をバカにする
6.人前であなたの悪口を言ったり笑いものにしたりする
7.ちょっとしたミスを細かく指摘してくる
8.こまごま指摘してくるがこちらの言い分を全く聞かない
9.わざと大きな音を立ててドアを閉めたりモノに八つ当たりしたりする
10.あなたがミスをするたびに聞こえるように大きなため息をついてあきれる
など・・・。
このような人格を否定するようなことを言ってきますが、ただ単に否定するだけでなく「悪かった」とあとで謝ってきたり、「お前がいないとダメなんだ」と急に弱気になって見せたりしてくることもあるため、モラハラの被害に遭っていながら気がつかないというケースも多いのです。
「もうしない」、「大好き」、「お前(もしくは俺)がいないとダメ」と言う傾向のある配偶者がいるのなら、一度相手の行動や言動を振り返ってみましょう。
そして、その際にあなたがどう思うのかを考えてくださいね。
肝心なのは「あなたがどう感じているか」です。
いじめと同じで明確な判断基準がないので難しい問題なのですが、「相手が嫌がったらいじめ」となるように「あなたが家に居にくい」、「相手の顔色をうかがってしまう」ような状況にあるならモラハラであると考えても良いでしょう。
「自分がこの人を守らないと!」、「私がいなきゃこの人はダメになる!」と使命感を持ったり情に流されたりすることもあると思います。
でも、愛する人と一緒に生活をしているハズなのに「相手を思いやらずに嫌がらせをしている」のは事実です。
キツイ言い方になりますが、あなたが犠牲になって守り抜く必要もありません。
筆者の話になりますが、経済DVとモラハラで「配偶者暴力センター」に相談をしたことがありました。
その際、モラハラをする傾向のある人はのらりくらりと責任逃れをするため、「この人は私がいなきゃダメ」と必死になって守らなくても、離婚したらしたで相手を変えて同じことを繰り返すことが多いのだそうです。
あなたが今まで一生懸命配偶者に尽くし努力を重ねてきたうえで、モラハラが治まらない場合は自分や子どもの安全を第一に考えた方が良いでしょう。
モラハラを受けている本人は、なかば洗脳されているような状態になってしまうため、テレビのモラハラ特集などを見ても「他人事」のように感じます。
「夫や妻にもこんな傾向があるけれど、きっと勘違い」と思う場合、あなたは勘違いしているのはなく、モラハラを受けているのです。
具体例に当てはまる!どうしたらいいの?
モラハラの現実に気がついたとしても、すぐに離婚を告げるのは避けた方が賢明です。
離婚を告げた後では、モラハラ夫や妻に証拠隠滅を図られたり、暴力・暴言のオンパレードになってしまったりする可能性が高まるからです。
そうなってしまうと、証拠が集められなくなってしまうので、離婚する際に不利になってしまうこともあるんです。
モラハラ夫や妻とうまく結婚生活を続けたい、離婚はまだ考えていないというあなたは、「何かあったときのために」証拠を集めておくようにすると良いでしょう。
2.DVの証拠集めの方法!具体的に証拠となるものって?
私が身体的に暴力をふるったわけじゃないけど、モラハラの面で不安だったの。
じゃあもしリリ子さんがDVやモラハラを受けた時用に、証拠集めについて説明しておくよ。
モラハラやDVを受けているけれど、証拠になりそうなものが何かわからないのでそのままにしていませんか?
また、証拠の残し方にもコツがあるんです。曖昧な情報を残していても、いざ離婚する際に十分な証拠にならず離婚が成立しないなんてことにもなりかねません。
まずはDVの証拠として有効とされるものを紹介していくので参考にしてみてください。
DVの証拠になる5つのもの
- DVによってできたケガの診断書
- DVによってできた傷の写真
- 毎日のあなたと配偶者の様子やDVの被害について記録した日記
- 警察や配偶者暴力センターに相談した記録
- 暴力行為の状況が録音されたデータ
DVの場合、暴力を受けてできた傷や診断書が動かぬ証拠となります。
そのほかに、警察や配偶者暴力センターに相談した記録もあると、あなたが暴力に対して解決策を探していた、助けを求めていたという証拠にもなります。
DVの証拠を集める方法
DVの証拠を集める方法としては、以下のようなものがあります。
1.暴力を受けて傷ができたときに病院で診断書を貰う
2.DVによってできた傷の写真を撮る(できれば使い捨てカメラで)
3.DVの様子や毎日の様子を日記に残しておく(ニュースなどを一緒に記す)
4.警察や配偶者暴力センターに相談して、記録を残しておく
診断書などの医療記録があると、離婚の際の慰謝料請求の証拠にもなりますし、保護命令を申し立てる際にも重要な証拠資料となるので、ちょっとした傷でも病院へ行っておくのがおすすめです。
保護命令って何?
保護命令とは、裁判所がDV夫・妻に被害者への接近禁止命令等を出してもらう手続のことです。
手続の手順は簡単で、交渉役場で「公証人面前宣誓供述書」を作成するか、警察や配偶者暴力センターへ相談をしている記録を残し、裁判所で「公証人面前宣誓供述書」を提出するか「申立書」を作成します。
裁判所から警察や配偶者暴力相談センターへ相談時の状況(相談者の名前や加害者の名前、相談内容、措置の内容)が記録されたカードなどを証拠として提出するよう求め、裁判の手続きが進められます。
相談カードは警察などで保管しているもので、自分で用意する場合は写しをもらいます。
保護命令の発令があると、被害者への接近や電話ができなくなるだけでなく、子どもや親類への接近も禁止されます。また、同居している場合は2ヵ月以内に退居しなければならなくなるのです。
裁判の際、相手方が暴力行為を否定してくる可能性もあるので、証拠集めは大切です。
場合によっては、警察や配偶者暴力センターへの相談記録だけでは暴力行為と認定しないことがあるためです。
小さな傷でも病院へ行っておくことで、受診歴がつくれるので、自分の身を守るためにも「こんな小さな傷でも病院へ行っていいの?」と不安にならずに、病院へ行くのをおすすめします。
配偶者暴力センターって何?
配偶者による身体的な暴力や精神的な暴力から、被害者を守るための手段などを案内してくれる機関です。
「これってDV?」、「モラハラっぽいけどよく分からない」といった状況でも、相談をすることによってDVだった、モラハラだったと気づけるかもしれませんし、身近にある保護施設などを紹介してくれる可能性もあります。
全国各地に配偶者暴力センターや男女共同参画センターなどの相談先がありますので、チェックして相談してみましょう。
筆者の経験談になりますが、元夫との経済的な価値観の違いを感じ、夫婦間の相談を何度も試みましたがうまくいきませんでした。
そこでさまざまな機関に相談した結果、配偶者暴力センターを紹介され、電話することになりました。
経済的に苦しいのは、元夫が家計の現金を使いこみ、クレジットカードや電子マネーなどにも手を出して自転車操業状態になっていたからだったのですが、「私がしっかりしていないせいだ」と思い、数年間頑張ってきました。
相談員には「あなたが何度も困っていることを夫婦間で相談しているし、あなたも仕事をして家計を支えようと努力はしている。あなたが悪いのではないですよ」と言われ、「自分が悪いのではない」と初めて気がついたのです。
相談員から言われた話で印象的だったのは、夫婦間で何度も話し合いをしているのにも関わらず、夫や妻が話し合いに応じない、無視をする、同じことを繰り返されて改善しないと感じる場合、あなたが頑張り過ぎていてモラハラやDVに気がついていないケースも多いということです。
あなたもDVやモラハラに気がついていないだけかもしれません。
「些細なことだから・・・」と遠慮せずに相談してみましょう。
3.モラハラの証拠集めの方法!具体的に証拠となるものって?
些細なことだから気にしちゃだめだ!って思ってると、どんどん深みにはまっていくのね。
じゃあ次は、モラハラの証拠集めについて見ていこうか!
さっきちょっと気になる項目があったから、いざという時のために私も証拠集めとこ!
つづいて、直接的な暴力ではない、モラハラの証拠集めの方法について紹介していきます。
モラハラはDVちは違い、傷などが残らないため証拠を残すことが難しいのが特徴です。
そのため、録音テープや精神的にダメージを受けているという診断書を残すように計画を立てることが大切です。
モラハラの証拠になる6つのもの
- ボイスレコーダーのデータや録音テープ
- 精神科医の診断書
- 暴言が書かれているメールやLINE
- 第三者の証言
- 普段のモラハラを記録した日記(ニュースなどを記すと尚良し)
- 別居期間がある
基本的にはDVの証拠と同じですが、目に見えにくいものであるため、丁寧に慎重に証拠集めを行うことがポイントになってきます。
モラハラの証拠を集める方法
DVの場合、傷の写真や痛々しい姿を見せることで証拠を示すことができますが、モラハラは精神的DVなのでテープレコーダーやボイスレコーダーで暴言を録音するのが鍵となってきます。
また、精神科へ行き、モラハラが原因で精神的にやられているという証拠を残したり、暴言や脅し文句などが書かれたメールやLINEを使い捨てカメラで撮影しておいたりするのも有効です。
モノに八つ当たりするタイプの夫や妻なら、壊されたモノの写真を残しておく、周りの人にモラハラについて相談し、証言してもらうこともできます。
モラハラについて日記を残す場合は、その日のニュースを記しておくと、日記をあとからねつ造したという疑いをかけられることも少なくなります。
ただし、モラハラ夫・妻に録音したデータや日記などが見つかった場合、どのような仕打ちを受けるか分かりません。
今後の証拠を残すのも難しくなるため、慎重に証拠集めを行ってくださいね。
モラハラを原因に離婚をする前ならば、モラハラを受ける前から書かれている日記の方が自然で信憑性があると捉えられるので、日記をつけるクセをつけるのも良いかもしれません。
日記帳に書くのが面倒であれば、手帳の片隅に書いておくのもひとつの手ですし、非公開のブログに残しておくのも良いでしょう。
また、モラハラが原因で「もう耐えられない!」と別居期間を稼いで証拠をより強くするという方法もあります。一見したたかなようですが、自分や子どもの身を守るためなので大切なことなんです。
DV・モラハラの証拠を集めることも大切ですが、逃げられなくてどうしようもなくなっている状態の時には、保護命令を出してもらえないか確認してみることもオススメです。
→【DV・モラハラ】保護命令は適用される?申立て方法や必要書類は?
4.逆DV!?妻から夫へのDV・モラハラも増加中
テレビや雑誌などで取り上げられるのは、妻が被害者のDVやモラハラです。しかし最近は、夫がDVやモラハラの被害者になることも増えているんです。
件数的には女性の被害が多いですが、男性の数が増えてきているのもよく分かります。
- 平成25年の女性被害者による相談件数・・・46,252件
- 平成25年の男性被害者による相談件数・・・3,281件
- 平成29年の女性被害者による相談件数・・・60,015件
- 平成29年の男性被害者による相談件数・・・12,440件
男性の相談が4年間の間に4倍になっているのが分かります。
全体的に相談件数が増えているのは、DVやモラハラの件数がただ単に増えているということも考えられますが、「これってDV?」、「これはモラハラなのでは?」と感じて相談した結果DVやモラハラだったというケースも増えてきています。
男性の場合だと、「妻からDVやモラハラを受けているから助けて!」と声をあげるのが恥ずかしい、「弱い」と思われるのが怖いと感じる男性も多いので、表面化しにくいと言われています。
また、世間体は良いので「妻からDVやモラハラを受けている」と周りから見ても分からず、助けてもらえないこともありますし、自分がDV・モラハラを受けていること自体に気づいていない男性も多いです。
女性でも気がつきにくいと言われているDVやモラハラ。それは男性も同じです。
先に紹介した具体例などから、自分はDVやモラハラを受けているのかを見極めておきましょう。
5.DV・モラハラ夫や妻から慰謝料を取れるの?
あなたがDVやモラハラを受けていて、離婚するしないに関わらず慰謝料を請求することはできるのでしょうか?気になるところですよね。
不倫ならば離婚せずに慰謝料を請求後、夫婦関係を再構築することもできると言われています。
DVやモラハラとなると、慰謝料請求後に加害者である相手と同じ家に住むことに対して「あなたが負担にならないか」をしっかり考えましょう。
では、DVの場合、モラハラの場合に分けて紹介していきます。
DVで慰謝料は取れる?相場や方法について
DVで慰謝料を請求することは可能です。
慰謝料の相場は、被害の程度によって増減しますが、50~300万円程度が多いようです。
相手がDVを否定している場合でも、警察や配偶者暴力センターへ相談していれば、記録が残っていますし、病院の受診歴があれば証拠になりますので慰謝料を請求することができるので、めげずに証拠を集めるのがポイントになります。
慰謝料の相場の増減ポイント
・DVの行為の回数や頻度は?(週に1回程度では厳しいようです)
・DVの行為の期間は?
・あなたに落ち度はありますか?
・DVによるケガ・障害・後遺症はありますか?
・DVによるケガ・障害・後遺症の証拠はありますか?
・DVによってうつ病や神経症などになっていませんか?
・DVによってうつ病や神経症などになった証拠はありますか?
・あなたの資産・収入は少ないですか?
・あなたの年齢が高いですか?
・相手の収入が高いですか?
・婚姻期間はどのくらいですか?
・子どもがいますか?
DVによる慰謝料請求の方法
- 内容証明で慰謝料請求
- 調停で慰謝料を請求
- 裁判で慰謝料を請求
内容証明を送るときは、弁護士に頼むのが一番ですが、あなたが個人で行うのであれば、「証明のタイトル」、「DVを受けている事実」、「法律に反しているかどうか」、「あなたの口座などの振込先」、「あなたの住所」を記載する必要があります。
DVの場合、あなたの住所を教えたくないということもありますよね。そういった場合は弁護士にお願したり、調停や裁判にするのがおすすめです。
調停や裁判の場合、「DVのおそれがある」、「DVがある」なら住所を非公開にできるからです。
モラハラで慰謝料は取れる?相場や方法について
モラハラを原因に慰謝料を取ることは可能です。
ただし、DVよりも証拠を集めることが難しいので、しっかり証拠を提出することがポイントとなります。
モラハラによる慰謝料の相場はDVと同じく、50~300万円が一般的です。
慰謝料の相場の増減ポイント
・モラハラの回数や頻度は多いですか?(少ないと夫婦喧嘩と捉えられることも)
・モラハラの期間が長いですか?
・あなたに落ち度はありませんか?
・モラハラによりうつ病や神経症になっていませんか?
・モラハラによってうつ病や神経症になった証拠はありますか?
・あなたの資産・収入が少ないですか?
・あなたの年齢が高いですか?
・相手の収入が高いですか?
・婚姻期間が長いですか?
・子どもはいますか?
モラハラの慰謝料請求方法
- 内容証明で慰謝料請求
- 調停で慰謝料を請求
- 裁判で慰謝料を請求
DVと基本は同じです。
内容証明を送るときは、弁護士に頼むのが一番ですが、あなたが個人で行うのであれば、「証明のタイトル」、「DVを受けている事実」、「法律に反しているかどうか」、「あなたの口座などの振込先」、「あなたの住所」を記載します。
DVよりも証拠を掴むのが難しいものであるため、日記や受診歴、第三者の証言、警察や配偶者暴力センターへの相談履歴を残しておくことが重要です。
また、モラハラの場合も、あなたの住所を教えないためには弁護士にお願したり、調停や裁判にするのがおすすめです。
モラハラの場合は、したたかな相手であれば、慰謝料請求時に急に良い子ぶる可能性もあります。
また、あなたに圧力をかけて請求を取り下げさせようとすることも考えられます。
まずは、警察や配偶者暴力センターへ相談し、どうするのが一番良いのかを考えながら行動していきましょう。
DVやモラハラどちらも、慰謝料をなるべく多く貰うためには、被害状況の程度とあたなの生活レベル・資産状況を明らかにすることが大切です。
客観的な証拠だけでなく、夫婦の財産を明らかにしておくことも重要なので、あせらあずに準備を進めてくださいね。
6.DV・モラハラを原因に離婚はできるの?
てっきりDVやモラハラでは慰謝料は取れないのかと思っていたわ。
DVとかモラハラとか、そういったことで離婚はできるの?
ここからは、そのことについて見ていこうか。
DVやモラハラを理由に慰謝料を請求することができるのなら、これを理由に離婚はできるのでしょうか?
慰謝料は請求しなくてもいいから、とにかく離婚したいと考えてしまうこともありますよね。筆者もモラハラや経済DVに遭っていたときは、「一刻も早くこの状況から抜け出したい」一心でした。
結論から言うと、DVやモラハラを原因に離婚をすることはできます。
協議離婚・離婚調停では、相手の合意さえあれば離婚することが可能です。
しかし、離婚裁判をする場合は、合意ではなく「DVやモラハラの事実を明確にした証拠」が必要になり、暴力と認められない場合は「性格の不一致」での離婚で進めなければならなくなってしまいます。
調停離婚ならば、調停委員に対して相手に離婚に合意してもらうために説明しなければなりません。
簡単に言うと、「私はこんな被害を受けているから離婚をしたいと考えています」というプレゼンをしなければならないのです。
その際、調停委員に「相手が一方的に悪い」と意見を言い続けてしまうと、「あなたに聞く耳が無いからなのでは?」と思われてしまうこともあります。
事実を伝える際は「あなたという他人が被害に遭っている」第三者の視点でモラハラやDVの状況を見て説明することが大切です。
協議離婚・調停離婚で離婚の合意が得られないときは?
合意が得られなかったときは、離婚裁判をして離婚することになります。
離婚裁判は、先にも述べましたが、証拠をしっかり提出できなければ離婚が難しくなってしまいます。
裁判で離婚する場合、民法第770条に当てはまっていなければ離婚は成立しません。
1.配偶者に不貞な行為があったとき
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき
3.配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5.その他婚姻を継続し難い重大な理由があるとき
DVやモラハラは、5つ目の「その他婚姻を継続し難い重大な理由」に当てはまるので、被害の程度が酷ければ離婚成立となります。
ただし、「バカ」や「アホ」、「ダメ」などの暴言があったとしても、頻度が低ければ性格の不一致による夫婦喧嘩と言われてしまうことも。
モラハラならば、顔を合わせるたびに文句、侮辱、行動の制限がある、一回の説教が3~4時間あるといったことが「程度の酷いモラハラ」と捉えられます。
その際、あなたが相手に言い返したり、客観的に見てもあなたが悪かったりすると離婚は成立しません。
程度の酷いDVやモラハラではないが離婚したい場合
離婚前に別居することも離婚を成立させるために重要なポイントになります。
ちょっとした夫婦喧嘩であなたが勝手に出ていった場合、悪意の遺棄とみなされ、あなたが慰謝料を請求されてることがあります。
しかし、DVやモラハラで勝手に出ていったなら、悪意の遺棄にはなりません。
頭の切れる相手なら、別居時に民法752条には、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と規定があると主張してくることもありますが、DVやモラハラは別居の正当な理由になるので、警察や配偶者暴力センターへ相談ののち、別居すると良いですよ。
7.DV・モラハラに気づいたら勇気を出して決断しよう!
論より証拠とはこのことかしら?
証拠がないと離婚は難しくなるから、慎重にバレないように証拠を集めないとね。
自分で証拠を掴もうと張り切りすぎても、ばれちゃったら意味ないもんね。
まずは、自分がDVやモラハラの被害にあっていることを自覚して、そこから勇気を出して行動していくことが大切だよ。
DVやモラハラの被害に遭っていると感じているあなたも、「これってモラハラ?」と疑問に思いながらも「勘違いかも」と読み進めてきたあなたも、今までのDVやモラハラの具体例から「自分が受けているのはDVやモラハラだ」と明確になったのではないでしょうか?
DVやモラハラの現実に気がついたら、次は証拠を集めながら自分の心と向き合ってください。
自分の人生を自分らしく生きるためには、離婚すべきか離婚しないべきかを考え、次の一手を打ちましょう。
「どうしたらいいかわからない」、「誰にも相談できない」、「警察に相談するのは大げさすぎる」と思うのであれば、配偶者暴力センターや男女共同参画センターに相談してみるのがおすすめです。
まずは、勇気を出して声をあげてみましょう。
そうすると、あなたの置かれている状況が客観的に見てどうなのかが分かります。
そして、逃げるべきか戦うべきかを判断し、証拠をしっかり集めていくのです。
離婚するにしても、離婚成立しやすくなりますし、慰謝料もとりやすくなりますよ。
離婚しない場合でも、カウンセリングを受けるなどの方法を提案してくれますので安心してください。
夫婦はどちらか一方が権力を握るものではありません。
あなたが過ごしやすい家庭を築けるように応援しています!
DVとかモラハラって、気づかない人が多いのよね?