言いたかったことを忘れたり、うまく伝えられなかったり、相手の悪口ばかり言ってしまったり・・・。
私、離婚調停の準備を進めていくうちに不安になってきたのよ。
もしちゃんと伝えられなかったら、調停委員は旦那の味方になっちゃうんじゃないかって・・・。
じゃあ今日は、リリ子さんのそういった心配をなくして離婚調停を有利に進めていくために、絶対に作っておくべきものを紹介するよ。
教えて教えて~!!
今この記事を読んでいるあなたは、これから離婚調停を考えているのだと思います。
二人が結婚をするときと違い、離婚をすると決めたら一人でたくさんの下準備をすることが必要となってきます。
離婚調停で使用する陳述書も、その用意しなくてはならないものの一つです。
しかし、そんなもの今まで書いたことなどない!という人がほとんどではないでしょうか?そのため、面倒だからできれば作成したくないと思う人も多いでしょう。
断言しておきたいことは、陳述書は作成すべきだということです。
陳述書があることで、離婚調停はあなたにとって非常に有利になるからです。
具体的な陳述書の作成方法やそもそも陳述書とはどんな役割があるのかなども、説明していきます。
・陳述書は手書きでも良いの?
・弁護士に依頼しないでも作成できるの?
・どんなことに注意して作成していけば良い?
・陳述書を作成しなかったとしたらどんなデメリットがあるの?
など、誰かに聞きたくても、プライベートな内容かつ専門的な分野であるため聞きずらいであろう上記のような疑問を、一緒に解決していけたらと思います。
ここに書かれている内容は、これから離婚という闘いに一人で挑むあなたをサポートをしていくものです。
そして、はじめにお伝えしておきます。
けっして陳述書の作成は面倒でも無意味なものでもありません。
陳述書は、あなたの離婚をより簡単に有利にすすめていくために、必要なものなのです。
あなたの次の人生の幸せのために、離婚調停に有利な陳述書の作成方法をぜひ知っておいてください。
また、離婚に際して必要になってくる見落としがちな問題も、早々に解決させておきましょう。
目次
1.そもそも陳述書ってなに?作成する目的は?
でも、これからしっかり説明していくから大丈夫。
陳述書は意外と難しいものじゃないんだよ。
じゃあしっかり勉強して、その陳述書とやらを作れるようにするわ。
はじめに、陳述書はいったいどんな意味合いのある書類なのかを説明していきます。
まず、陳述書は、離婚調停において必ずしも必要な書類ではありません。
陳述書の作成は義務ではないのです。
ではなぜ、離婚調停において陳述書を作成するべきなのかを説明しておきます。
陳述書を作成すべき理由
離婚調停は、調停委員に間に入ってもらって離婚においての話合いをしていきます。
そのため、離婚調停では申立書を作成して、それにもとづいて話合いを行いますが、調停で自分の発言に与えられる時間はごくわずかです。
(1回の調停時間は30分程度が平均です。調停は2回~3回程度で終わってしまいます。)
また、申立書には離婚に至る経緯を記入する欄があり、そこに離婚に至る経緯を記載することができます。
だったらば、そこに記載すれば良いのではないか・・・と思いがちですが。
1度実際に見てもらえば納得してもらえると思いますが、その記載欄はとても小さく作られています。
正直いってとてもじゃないですが、今までの夫婦が離婚に至る経緯を、その記載欄だけで全てを説明することは不可能です。
※下記サイトで、調停の申立書がダウンロードできます。1度ぜひ見てみてください。
参照・参考:裁判所「家事調停の申立て(夫婦関係調整調停)」
この申立書の「申立ての理由」の欄を補うために作成するのが陳述書です。
離婚をするのにあたり、各家庭で様々な事情があるはずです。
離婚調停では自分にとって有利な条件で、話合いを進めていくには調停委員に「申立ての理由」を的確に伝えることが重要です。
申立ての理由を調停委員に理解してもらえなければ、あなたの希望する離婚条件を調停委員は味方してはくれません。
ではどうすれば、調停委員に理解を得られるような「申立ての理由」を伝えることができるのでしょうか。
それについて具体的に説明していきます。
まず離婚にいたる事情説明を申立書に記入をする際に、無理に記載欄には理由を記載せずに「申立ての理由については別紙の通り」という1文だけを記載し、別途、陳述書を作成するようにします。
陳述書では文字制限や、記載の制限もないのでどのようにして離婚を申立てるにいたったのかを、全て書くことができます。
しっかりと陳述書を作成しておけば、離婚調停のなかの限られたわずかな時間で、調停委員に申立ての理由や経緯を伝えることができます。
陳述書を作成する目的は
陳述書を作成する目的として、以下のようなことが挙げられます。
- 調停委員にたいして自分がどうしたいのかをわかりやすく伝えること
- 口頭で伝えきれないことを書面で補助すること
- 短い調停時間を有効活用するための下準備になること
- いざ調停でうまくつたえられるか、不安な時の支えになること
- 話したいことが抜け漏れでしまわないようにすること
上記のことから、陳述書を作成しておくことがあなたの離婚を有利にすすめる上で重要なことであるのがご理解いただけたかと思います。
2.陳述書には何を書いたらいいの?
離婚調停にとって陳述書が重要なのはわかったけれど、一体どんなことを書いたらいいのだろう?と思う方も多いでしょう。
陳述書の作成はむずかしいものではありません。
ここからは陳述書に書く内容について説明していきます。
陳述書に書く内容に決まりはあるの?
結論から言えば、陳述書に書くことについての決まりは特にありません。
陳述書の目的は「最終的に自分がどうしたいのか」を調停委員に明確に伝え、理解を得ることだということです。
あなたが離婚をしたい場合には「離婚をしたい」ということを、またどうしてそう考えるのかを主張する必要があります。
そしてその結論にいたった経緯と事情をきちんと説明していくことが大切です。
あなたが離婚をしたくない場合には「離婚をしたくない」ということを、どうして離婚がしたくないのかなどの様々な事情や状況を、きちんと説明して、主張することが必要になります。
実際に陳述書にはどのようなことを書くのかをお話していきます。
陳述書に書く具体的な内容の例
■夫婦それぞれや子どものプロフィール
※記載しておくとわかりやすい項目を一覧にしました。
本人 | ・氏名 ・性別 ・年齢 ・職業 |
・現住所 ・勤務先 ・雇用形態 ・年収 |
心身の状況 | 夫婦間の財産状況 |
相手 | ・氏名 ・性別 ・年齢 ・職業 |
・現住所 ・勤務先 ・雇用形態 ・年収 |
心身の状況 | |
子ども | ・名前 ・性別 ・年齢 |
・学校もしくは職業 | 心身の状況 |
■妻や、夫と出会ってから結婚にいたるまでの経緯
交際期間や婚約や、入籍にいたった時期などを記載するのが一般的です。
■離婚を決意する以前の夫婦の状態
結婚当初の生活状況などを記載します。
■離婚を決意することになったきっかけと経緯
ここが一番重要です。
わかりやすい簡潔で、客観的な内容で、時系列に記載します。
※DV・浮気などの離婚を決意した理由となる事実があればここで説明します
■現在の生活状況
今現在の各自の生活状況を記載します。
別居をしているなどの状況もあればここで、その状況を説明していきます。
■最終的に自分がどうしたいのか
上記までの経緯を踏まえて、自分が今後どうしたいのかを記載します。
以上が陳述書に記載する内容の一般的な例になります。
また詳しい書き方については後ほど解説していきます。
陳述書を作成する上でこれはNG!
陳述書の内容については先ほどお話しましたが、ここで注意しておきたいことがあります。
陳述書を作成しているうちに、過去の嫌なことを思い出してしまう場合も出てくるでしょう。
そのためどうしても、文章が感情的になってしまい相手の相手の悪口だらけの陳述書になってしまいがちです。
その気持ちはとてもわかりますが、相手の悪口ばかりの陳述書を作成してしまうのは避けたいところです。
なぜなら調停委員が目にした時にあなたの発言内容に対して、悪い印象を持ってしまう可能性が高くなってしまうからです。
実際に調停委員から悪い印象を持たれてしまうと、この人の主張は信憑性がないのではないかと思われてしまうかもしれないというのは、損ですよね。
相手の悪口をかくのではなく、経緯を客観的に書くようにすることが大切です。
これだけ押えておけば大丈夫!という陳述書作成の注意点についてを、またのちほど説明していきますので、ご安心ください。
3.陳述書の書き方や形式は?
陳述書は、自分がどうしたいのかを伝えるものなのね。
陳述書に調停委員に伝えたいことをまとめて理解してもらうようなイメージで書いていくんだ。
書き方とかは決まっているのかしら?
陳述書の形式や書き方は自由です。
決まったスタイルがあるわけではありませんが、やはり人に見てもらうものですから、その見やすさは大事になってきます。
ここではどのような書き方や形式を使用すれば良いのかをお話していきます。
陳述書は手書きでも良いの?それともパソコンを使用するべき?
陳述書の作成は手書きで作成しても、パソコンを利用して作成してもOKです。
どちらかで作成をしなくてはならないという決まりはありません。
しかし、陳述書の作成はパソコンのほうが絶対的におすすめです。
パソコンで陳述書を作成するメリットとは?
パソコンで作成をすることのメリットは以下のようなことがあげられます。
1.追記や修正が簡単に行える!
陳述書を最初から全て、明確に一回で書くことは、なかなかできるものではありません。
修正や追記をくりかえしているうちに、手書きで作成していると用紙がぐちゃぐちゃになってしまいます。
その点パソコンであれば、簡単に修正や追記ができるので、あとから読み直して違和感があれば、すぐに直すことも可能です。
2.どこに何が書いてあるのかも、機能を使ってすぐに検索できる!
陳述書を作成しているうちに、自分がどのあたりに何を書いたのかが、わからなくなってしまったとしてもパソコンであればすぐに見つけることができます。
(Ctrl+Fの機能で、自分が何をどのあたりで書き記したのかも、すぐに見つけることが可能です。)
3.パソコンで作成をすれば見直しもしやすい!
陳述書を作成したあと、見直しをする際もパソコンであれば、文字の拡大や自分で見やすい改行をいれつつ、簡単に全体を読見直すことが可能です。
その後の修正も手書きで作成するよりもかなり楽です。
4.提出用、自分用と保存しておくことが簡単!
手書きであればコピーをとったりなどと、複製には手間がかかります。
パソコンで陳述書を作成しておけば、そのデータを手元で保管しておくのが非常に簡単です。
5.メールなどにも内容を添付できる!
弁護士などに共有する際も、パソコンで作成しておけば簡単にメールなどで添付することが可能です。
6.どんなソフトで作成したら良い?
陳述書の作成には、Wordなどの有料のソフトを持っていなくても大丈夫です。
メモ帳などで作成しても、もちろん問題ないのですが、使い勝手がよく編集がしやすいおすすめはGoogleドキュメント。
Googleドキュメントは無料で使用できて、文章作成しながら自動保存もしてくれる便利なツールです。
陳述書作成においてはWordとほぼ同等の機能で作成可能です。
これを読めば簡単!陳述書の簡単な書き方
では、さっそく陳述書の書き方について説明していきます。
形式に決まりはありませんが、このような4つの項目にして作成をすると簡単に作成できます。
1.タイトルは「陳述書」にして書き出します。
2.陳述書の作成をした日付(年月日)と担当の裁判所を記入します。
3.上記で記載した、本人・相手・子どものプロフィールや、結婚から離婚に至るまでの具体的な内容を書きます。
また、最終的に自分はどうしたいのかをここで明確にします。
※内容は、うまくまとめることができなければ箇条書きでも問題ありません。
4.自分の署名と捺印をします。
たったこれだけなのです。
陳述書を作成するときのフォントや枚数の目安は?
次に、どんな風に陳述書を作成すれば、第三者でもある調停委員にとってみやすい陳述書なのかを説明していきます。
陳述書は裁判官や調停委員が読みやすいように書式を整え、段落わけ、改行は適度におこなって読みやすさを意識しましょう。
陳述書をプリントするのはA4サイズがベスト、枚数はだいたい3枚~5枚程度にまとめます。
文字のフォントサイズは12~13程度が読みやすいです。
これらの点をほんの少しだけ意識することで、誰にでも簡単にわかりやすい陳述書を作成することができるのです。
4.陳述書を作成するメリットは6個あります!
特に形式はないけど、目安となる書き方があるのね!メモメモ
パソコンで作成する方法がオススメだけど、難しい場合には手書きでも問題はないよ。
・・・じゃ、私は手書きにしようかしら♪
ここまでで、陳述書の作成方法や大方の意味を説明してきました。
しかし、「う~ん。陳述書があった方がなんとなく良いのはわかったけれど、そこまで必要??」なんて思っている方もいるでしょう。
そんな方に是非知っておいて欲しい、陳述書の作成をすることの6つのメリットをお話していきます。
【メリット1】調停委員に話を理解してもらいやすくなる
調停委員も、いくらベテランの方であっても、普通の人間です。
口頭の説明だけを聞くよりも、同じ内容でも文章として目にしたほうが理解を得られやすくります。
陳述書をベースに説明をしていくことで、調停でもスムーズに話をしやすくなります。
【メリット2】調停委員に自分の意思をしっかり伝えることができる
陳述書を作成しておけば、自分自身も意思を明確にすることができます。
何があってどのような経緯を経て、今回離婚をすることを決意したのかを、目に見えるかたちで説明できるので、実際の調停で自分の意思をうまく話せなかった・・・などという状態を避けることが可能です。
【メリット3】過去の出来事や相手に対しての気持ちを整理できる
離婚を決意するまでの経緯には、人それぞれの事情がありそこに至ります。毎日の生活の中は、慌ただしくて自分の気持ちも、何をどうしたいのかも、よくわからなくなるように感じることもあるでしょう。
陳述書を作成することで、自分自身も過去の出来事や、相手に対しての気持ちを文字にすることで、気持ちの整理をすることもできます。
【メリット4】緊張していても、調停での話漏れを防ぐことができる
人間はどんなに口が達者であろうとその場で、全てを完璧に話せるとは限りません。
また、その場になってしまうと緊張のあまり、伝えたいことをうまく話せなくなってしまうこともあります。
あとから「○○のことをもっと話しておけば良かった!」などと思っても手遅れになってしまうので、調停で伝えたいことを漏れのないようにできることも、陳述書作成のメリットなのです。
【メリット5】自分が何を伝えたいのか、見直すことができる
先ほどもお話しましたが、気持ちを文字にすることは非常に重要です。
調停で○○のことをこんな風に話せばいいか!などと考えていても、いざとなるとうまく言葉がでなかったり、自分が何をどう伝えたかったのか曖昧になってしまうこともあります。
陳述書を作成しておくことで、自分が何を伝えたかったのか、どう考えているのかなども見直すことができます。
【メリット6】調停が始まる前に提出し、時間を効率的に使うことができる
調停が始まる前に書類として提出することで、事前に調停委員が陳述書を読んでくれるので内容を把握しておいてもらうことが可能です。
覚えておいていただきたいことは、「作成した陳述書は調停の申立書を提出する際に一緒に提出する」ということです。
もちろん、調停初日に渡しても充分間に合いますが、陳述書は先に提出しておくことのメリットがあります。
それは、調停の事前に調停委員に内容や状況を把握してもらうことで、少ない調停の時間での話合いがスムーズに進みやすくなります。
何度も言いますが、調停の時間は限られており、その時間は想像以上にとても短いのです。
言いたいことが山ほどあっても、1回30分程度の少ない調停時間の中で、さらに自分が発言できる時間はごくわずかです。
その少ない時間を有効活用して、自分が何を伝えたいのかを調停委員に理解をしてもらうためには、陳述書は必要なのです。
そして、自分にとって有利な状態で離婚をすすめたいのであれば、陳述書は必要な書類ではなくもはや必須レベルなのです!
離婚調停の流れなどはこちらで解説しています!
→【漫画で納得!】これを知らないと損をする!離婚調停10のポイント
5.陳述書を書く際の5つの注意点
陳述書は離婚調停を有利に進めることができるから、必須レベルとも言えるね。
じゃあ、旦那の悪口は書かないようにするけど、感情的になってちょっとお涙頂戴的なやつとか書いて~
今までの鬱憤を晴らしちゃお♪
ここまでを読んでくださったあなたは陳述書が離婚調停を自分に有利に進めるにあたって、非常に重要な役割をもっていることはご理解いただけたかと思います。
ではここからは、あなたが陳述書の作成をする際に失敗しないで済むようにする方法をお伝えします。
陳述書を作成していく上で、注意して欲しい5つの点があります。
その5つの点とその理由について説明していきます。
➀陳述書は相手の悪口にならないように注意!
陳述書の作成で気をつけないとついやりがちなのが、「相手の悪口」ばかりを書いてしまうことです。
あなたが離婚を決意したくらいの相手ですから、自分ではただ事実を述べているつもりでも、他人からみたらただの悪口や文句になってしまっていることがあります。
何をされたか、何があったのか、などを主張するのと、悪口を書くのは違います。
あなたは事実を主張する必要がありますが、陳述書が悪口の羅列になってしまっていては、調停委員に「この人は自分のことしか考えていない人だ」という判断をされかねません。
そうなってしまっては調停が自分にとって不利な展開になってしまうこともあります。
悪口ではなく、伝えるべき事実を伝えるように、うまくまとめましょう。
先ほど陳述書は、A4サイズで3~5枚程度で作成することをおすすめしましたが、枚数が多くなってしまう場合は見直してみることをおすすめします。
そういう場合は、陳述書の内容が相手の悪口大会になってしまっていることが多いのです。
自分は絶対悪くない!相手が酷いことをした!などの悪口になってしまっている文章を連ねてしまってはいませんか?それによって枚数が大幅に増えてしまうことがあります。
うまくまとめる自信がなければ、あえて箇条書きで記載することで、余計な悪口を書かずに済む場合もあります。
②感情的にならないように注意!
ついつい陳述書の作成をしていると、いろいろな感情がこみあげてきてしまい結果的に、陳述書の内容が感情的になってしまうことがあります。
感情的になってしまうと実際に伝えたいことよりも感情論で、自己主張しているような内容になり、支離滅裂な文章になってしまいがちです。
・「感情的になりすぎていないか」
・「結果的に読んだ人が事実を把握できるか」
・「自分がどうしたいのかが相手に伝わるか」
陳述書を作成したら、1度しっかり見直して上記のようなことを確認してみてください。
③言葉遣いに注意!
陳述書を作成する際には、言葉遣いには注意しましょう。
敬語や丁寧語などを無理に使用して、へりくだる必要などは一切ありませんが、調停委員はあなたの友達ではありません。
「あいつがむかつく!」「マジでひどいことをされた!」上記のような言葉遣いは論外です。
基本的には、「です・ます」を使用するか、事実だけを客観的に述べた内容にしてください。
④客観的な内容になっているか注意!
陳述書の作成を自分で行っていると、どうしても主観的な内容になってしまいます。
主観的な内容になってしまうと、どうしても文章があっちこっちに感情的になっているような印象になることもあり、読みにくい印象の陳述書になってしまいがちなのです。
そのため、陳述書はあくまで客観的に書くようにします。
では、参考例として同じような内容を主観的に書いた場合と、客観的に書いた場合の記載例をご紹介します。
例1.相手からのDVについての記載
■主観的な文章
結婚して3年目くらいから口論が増え、夫から次第に暴力を振るわれるようになった。怪我は長期間に及び回復せず、病院通いをした。
次第に精神的にも追い込まれ、私は精神科に通院せざるを得ない状況になった。
※文章としては問題ないのですが、上記のようなことを出来るだけ客観的に書くとしたら以下のような文章になります。
■客観的な文章
2013年1月から、夫婦の些細な意見の食い違いから口論となる。
喧嘩に発展し、夫は妻を突き飛ばし、平手打ちで1回殴り、4回にわたり腹部を蹴る。
妻は打撲・鼓膜損傷・肋骨骨折で全治3ヶ月の怪我を負う(診断書あり)
また、当時の恐怖でPTSDを発症し、精神科を受診(診断書あり)
このように、具体的な時期の記載や、誰が何があってどうなったと言う主語も客観的な文章作成には重要です。
具体的にどういうことがおき、その証拠があることなどを、第三者的な目線で書きましょう。
例2.相手の浮気についての記載
■主観的な文章
平成20年2月15日 夫は不倫相手のマンションに入り浸るようになってしまった。妻がそれを指摘すると、夫は激怒し罵声を浴びせてきた。
妻に非はないのに一方的にののしられ、かなりの精神的苦痛を強いられた。
※上記にはしっかりと、日付も主語もはいっていますが、内容が感情的であり妻の主観的な内容に見えてしまいます。
■客観的な内容
平成20年2月15日 夫は帰宅せず、不倫相手の家に無断外泊。
妻は夫に「なぜ、帰宅しなかったの?」と無断外泊の理由を訪ねる。
夫は妻に「うるさい。おまえに言う必要はない。クソばばあ。ぶっ殺すぞ。」という言葉を返した。
平成20年2月16日 興信所の調査によって、不倫相手宅に外泊していたことが発覚。(興信所の報告書あり)
※ちょっと、上記ではわかりやすい一例として大げさな表現を含みますが、このように具体的な事実を記載することで客観的な文章になります。
⑤嘘を付いてはだめ!
だれだって自分に有利に調停を進めていきたいのは同じです。しかし、相手が不利になるように、嘘をついてはいけません。
嘘をついていることは、ベテランである調停委員には確実にばれます。
たとえ小さな嘘でだとしても、それが発覚してしまえば、あなたの陳述書の内容全てが疑われてしまいす。
またそれによって人間性までも疑われる可能性もあります。
陳述書には、事実だけを記載しましょう。
6.陳述書は弁護士に書いてもらう方がいいの?
悪口じゃなくて感情的にもならないようにしながら、客観的に状況を伝えていくことが大切なのね。
でも、できれば自分で陳述書を作成することがオススメだよ。
結論から言えば、陳述書の作成は、できる限り自分の手で作成することをおすすめします。
その理由は離婚に関する内容証明などとは違い、法律的な知識などは全く必要ないからです。
自分で作成した方が、他人に依頼するよりも事実に基づいたよりリアルな内容になります。
リアルな内容のほうが調停委員にも、より自分の状況や気持ちも伝わります。
それでも何かしらの事情で、自分で作成ができないという場合は陳述書を弁護士に依頼することも可能です。
陳述書作成の弁護士依頼費用について
離婚調停において弁護士に依頼している場合は、その担当弁護士に陳述書の作成を追加依頼することが可能です。
離婚調停においての弁護士依頼費用は、依頼する弁護士によって異なります。
離婚調停において弁護士に依頼しているのであれば、依頼を検討している旨を1度伝えて、見積もりを出してもらいましょう。
まとめ
これなら私も書けそうだわ。
張り切って作ってくるわ!
今回は離婚調停で提出する陳述書の作成について、お話してきました。
冒頭で出ていた以下のような疑問は解決できたでしょうか?
以下、さらに簡単にまとめておきます。
Q1.陳述書は手書きでも良いの?
陳述書は手書きでも、パソコンで作成してもどちらでもOKです。
しかし、作成はパソコンでおこなっった方がメリットが大きいのです。
Q2.弁護士に依頼しないでも作成できるの?
離婚調停の陳述書の作成は、法律的な知識は不必要です。
弁護士に依頼することも可能ですが、自分で作成することがおすすめです。
Q3.どんなことに注意して作成していけば良い?
記載内容はあくまで客観的にするようにします。
また、相手の悪口になっていないかに注意することが重要です。
結果的に自分がどうしたいのかの意思を伝えられるようにまとめてください。
Q4.陳述書を作成しなかったとしたらどんなデメリットがあるの?
陳述書は離婚調停を自分に有利にするためには必須です。
作成をしないデメリットとしては、短い時間内に口頭だけでは自分が調停委員に伝えたいことを伝えられずに終わってしまうことがあります。
陳述書を作成しないと自分自身の気持ちや、意思を再確認出来る機会がないままで、調停に望むことになってしまう場合もあります。
このような状態で離婚調停にいどんでしまうと、調停委員に自分がどうして離婚を決意しているのか、どうしてその必要があるのかなどを、理解してもらうことがむずかしくなります。
結果的に、あなたにとって不利な条件で離婚になってしまったり、最悪は離婚の必要がないという判断をされかねません。
陳述書に限らず、書類の作成をするとなると面倒な印象を持つ人も多いかと思います。
離婚調停においての陳述書の作成はけっして義務ではありません。
しかし、あなたの離婚調停を有利にするためには必須です。
陳述書はパソコンを使えば簡単に作成できます。
また、あなた自身の気持ちの整理もすることができます。
陳述書は面倒なものではありません。
むしろできるだけ簡単に、あなたに有利に離婚調停をすすめるためのものなのです。
離婚を決意し、自分に有利な条件で新しい人生の再スタートをするためには、離婚調停であなたの満足のいく結果をえることが大切です。
自分がどうしたいのかを伝え、有利な展開のためにも離婚調停を申し立てる際には、必ず陳述書を用意しましょう。
あなたにとって、少しでも早く理想の生活がおくれる環境になることを、心から祈っています。
離婚調停で緊張して話せなくなることってあると思う・・・?