きちんとした離婚準備をすれば、理不尽な条件を突き付けられることなく、お互いに幸せな離婚をすることができます。
今回は離婚を考えている男性が納得できる離婚ができるように、
・必要なお金について
・親権が欲しい場合について
・こどもについて
・妻がいなくなってから困ることについて
・妻からのDVや浮気、モラハラについて
など、”男の離婚準備” について詳しく紹介したいと思います。
> 女性の離婚準備については、「【女性向け】後悔せず離婚するための女性の離婚準備8つのポイント」をチェックしてみてください。
> 男性の方に特に注意していただきたいのは、こちらです。
→離婚準備であなたが今スグやっておくべき「たった1つのコト」とは?
では、具体的にどのような離婚準備をすればいいのかというと…
- 準備: 必要なお金を知る、財産を把握する
- 準備: 住む場所に困らないようにする
- 準備: 妻がいなくなって困る事をあらかじめ把握する
- 準備: 子供の親権が欲しい場合の準備をする
- 準備: 離婚理由となるDVや相手の浮気の証拠を集める
- 準備: 協議離婚から始まる離婚の流れも理解しておく
上記の6つは絶対条件です。実際にこれからわかりやすく説明していきます。
目次
【準備1】離婚する時に必要なお金を知る、財産を把握する
離婚をする時に必要になるお金について知って、それぞれ支払い義務があるのかどうか、知識をつけておいんたんだ。
男性が、いざ離婚をしようとしたときに必要なお金には大きく分けて4種類あります。
- 慰謝料
- 養育費
- 婚姻費用
- 財産分与
下記で詳しくその内容を解説します。
その前に、とりあえず離婚する方法別に、自力で離婚する場合と弁護士に依頼する場合で必要になる費用が知りたい!という方もおられると思います。
そんな時は、「【離婚方法別にかかる費用】離婚は自分で?それとも弁護士?費用がない時の対処法も!」をチェックしてみてくださいね。
1.慰謝料
慰謝料と聞くと、なんだか男性側は加害者のような気がしてしまいますが、これは必ずしも必要なわけではありません。
妻側が離婚をする際に夫に対して請求するようなイメージが多いですが、実際には慰謝料は、モラハラ・不貞行為・DVなどによって、精神的な損害を与えた側が支払うものです。
もし、あなたが相手に慰謝料を請求された時に、慰謝料を支払うのはおかしいと感じたら、そもそも慰謝料の発生原因がないということを説明する必要があります。
妻側に、離婚原因があったとしたらそれを証明できるようにすることも必要です。
もし妻が有責配偶者の場合は、逆にあなたが請求をすることができます。
そして、夫側に離婚原因に当たるような行為(不貞行為)があったとしても、それは婚姻関係の破綻後であることを説明することで、慰謝料の請求を退けることもできます。
また、有責配偶者からの離婚請求が認められるのは下記のような場合です。
・夫婦の別居が長期に及んでいること
・夫婦間に未成熟子がいないこと
・離婚によって相手側配偶者が精神的、経済的に過酷な状況に置かれないこと
単なる性格の不一致など離婚の原因が双方にある場合や、どちらかが悪いと判断できないような場合には、慰謝料の請求自体が認められません。
しかし、夫がいくら離婚をしたくても妻が離婚を拒否している場合など、慰謝料の代わりに解決金と言う名目でお金を支払って離婚を成立させることもあります。
また、有責配偶者の収入や、婚姻年数、別居期間などによって一概には言えませんが、一般的な慰謝料の相場は大体200万円~300万円と言われています。
しかし協議離婚等の話し合いで、夫婦間での円満な離婚が決まった場合には慰謝料の額も様々になります。
2.養育費
養育費は、子どもの無事な成長を助けるためのお金です。子どもを育てていくには様々なお金がかかります。離婚したとしても、子どもへの扶養義務はなくならないため養育費は支払う義務があります。
養育費は離婚した妻、夫のためのものではなく子どものために支払うものです。
男性の中には(反対の場合もありますが)養育費の不払いや、減額のことなど第一に考えてしまう人もいますが、民法や福祉法でも養育費の支払いはきちんと決められています。
養育費は、どんなに支払い義務者に養育費を支払う余裕がなかったとしても、親がどんなに苦しかろうと、生活水準を落としてでも、親として子どもの生活のために必ず支払うべきお金です。
父親の義務として支払うべきお金だと言うことを理解してください。
夫婦間に未成年の子どもがいる場合、子供の親権を持つ方に養育費を支払う必要があります。
子どもの親権が妻にあり、養育費を支払う場合には、毎月の養育費がどれぐらいの金額になるものなのかを計算しておく必要があります。(また原則として、養育費は毎月支払うものであり一括で支払いはできません。)
一般的な養育費の相場は、子供1人の場合3万円から6万円程度と言われていますが、実際に離婚調停や離婚裁判となった場合はきちんとした基準があります。
養育費はどのぐらい支払うことになるのかは協議離婚や調停では話し合いで決まりますが、裁判となれば算定表が目安となります。
ではあなたがもし、支払い義務者となり養育費を支払うとしたら一体いくら支払うべきでしょうか。
まず、養育費は、支払い義務者の基礎収入と子どもの人数と子どもの年齢に合わせて区分されて計算されます。
また、養育費=義務者の基礎収入から振り分けられる子ども分の生活費× (義務者の基礎収入÷義務者と権利者世帯の生活費指数合計)という公式があります。
わかりやすく言うと、3つの基準があります。
養育費支払いの算定基準
- 養育費を支払われる子どもの人数(1人~3人)
- その対象となる子どもたちの年齢(0歳から14歳・15歳から19歳)
- 養育費支払い義務がある方の年収と支払われる権利がある方の年収。また給与所得か自営業なのか
上記によって変わります。
具体例として、以下の場合で見てみましょう。(妻が親権を持ち子どもを育てていくという条件)
■月額4~6万円程度となる場合
パターン1
・子どもの人数1人
・子どもの年齢は0歳から14歳
・夫の年収給与所得で600万円程度(支払い義務者)
・妻の年収給与所得で130万程度(権利者)
パターン2
・子どもの人数が2人
・子どもの年齢は2人とも0歳から14歳
・夫の年収給与所得で475万円程度(支払い義務者)
・妻の年収給与所得で150万程度(権利者)
■月額8~10万円程度となる場合
パターン1
・子どもの人数1人
・子どもの年齢は15歳から19歳
・夫の年収自営業で575万円程度(支払い義務者)
・妻の年収給与所得で175万程度(権利者)
パターン2
・子どもの人数1人
・子どもの年齢は0歳から14歳
・夫の年収給与所得で750万円程度(支払い義務者)
・妻の年収自営業で325万円程度(権利者)
上記のように養育費は各家庭ごとにかなりの条件の差がありますので、一概に相場の金額というのは条件によってかなり違う金額となります。
また、養育費支払いの算定方式は、従来のものと新しく平成28年度に日本弁護士連合会が提示している新算定方式のものが増え2種類あります。
新算定方式の従来の算定方式との違いは、新算定方式で計算すると、従来の算定方式より1.5倍ほど養育費が高くなるという点にあります。
これは、従来の算定方式の養育費の少なさに対して見直しされた金額となりますが、弁護士たちの間でもこれをよしとする意見と高すぎると言う意見があります。
今現在の段階では従来のタイプの算定表を基準とすることが多いようです。
以下、現算定表と新算定表で照らし合わせた養育費の額を記載します。
※ 現算定方式を使用した場合の養育費算出の具体例
2~4万円(月額)となる
(給与所得者) 父(義務者):年収400万円
母(権利者):年収175万円,子ども15歳と同居 の場合
参考・参照:裁判所 養育費・婚姻費用の算定表
※ 新算定方式・新算定表を使用した場合の養育費・婚姻費用算出の具体例
7万円(月額)となる
(給与所得者) 父(義務者):年収400万円
母(権利者):年収175万円,子ども15歳と同居 の場合
参考・参照:2016年(平成28年)日本弁護士連合会・養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言
また養育費は、給与所得者と自営業の場合でも計算方法に差があります。
上記のURLの中に簡単な計算ができる早見表が掲載されています。
また、下記URLで自動計算できるサイトがあります。ご自分の条件に合わせて簡単に計算してくれます。
河原崎法律事務所HPより出典
家庭裁判所の裁判官が発表した養育費算定表に基づいた計算機
あなたの場合は一体いくらの養育費の支払い義務があるのか参考にしてみてください。
また、もしあなたが親権を取って、妻に養育費を請求する場合については後ほど詳しく説明いたします。
> さらに詳しく養育費について知識をつけたい方は、「【離婚養育費の不安や疑問】こどもの為に知っておきたい5つのこと」をチェックしてみてくださいね。
3.婚姻費用
意外と知られていないのがこの婚姻費用と言うものですが、これは夫婦が離婚が決まる前に、別居している状態にあるとき、夫婦の生活が同レベルの水準になるように請求できる生活費のことです。
多くの場合は妻よりも夫の方が収入が多いことから、夫は妻に対して婚姻費用を支払うことになります。
もちろん、妻の方が収入が多かった場合には、夫は妻に対して婚姻費用を請求することもできます。
また、婚姻費用は、調停の申し立てをした時点から請求することができます。(過去にもらえるはずだった婚姻費用の請求は認められていません。)
婚姻費用の相場は…(例は支払い義務者を夫の条件)
◆パターン1(夫婦間に子供がいない場合)
・夫の年収給与所得で870万円程度(支払い義務者)
・妻の年収給与所得で100万程度(権利者)
→月額10万~12万円程度が目安
◆パターン2(夫婦間に14歳以下の子供が1人の場合)
・夫の年収自営業で625万円程度(支払い義務者)
・妻の年収で0万程度(権利者)
→月額14万~16万円程度が目安
◆パターン3(夫婦間に14歳以下の子供が2人の場合)
・夫の年収給与所得で1000万円程度(支払い義務者)
・妻の年収で0万程度(権利者)
→月額18万~20万円程度が目安
婚姻費用は、夫婦の収入と子供の人数と年齢によって目安があり、具体的なあなたの家庭の場合の婚姻費用の目安は下記の算定表を参照してください。
裁判所:養育費・婚姻費用の算定表を参照
> 婚姻費用分担請求についての詳細は「【婚姻費用分担請求】別居生活費の請求方法と知って得する5つのこと」をチェックしてみてくださいね。
また、別居している状態といっても、家を分けた別居ではなく、家庭内別居の可能性もありますよね。
あなたが家庭内別居と離婚で迷っている場合や、家庭内別居の婚姻費用について疑問がある場合には、以下の記事をチェックしてみてくださいね。
> 「※離婚と家庭内別居どっちがいい?迷ったらすぐ確認したい全てのこと」
4.財産分与
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築き上げた共有の財産を分け合うものです。原則として、すべての財産を2分の1ずつ分け合うのが基本です。
離婚原因を作った側が減額となるわけではないので要注意です。平等に分け合うということを頭に入れておいてください。
これは夫婦のどちらにも言えることですが、相手側の収入や夫婦の預貯金などを必ず把握しておくことが重要です。
なぜなら、離婚を切り出す前に相手に財産隠しをされてしまう可能性があるからです。
そのような点からしても、財産分与については、あらかじめ知識をつけておかなくては、あなたが損をしてしまいます。
> 借金やローン、年金や隠し財産など、財産分与に関する疑問を解決しておきましょう。
【借金・相場・隠し財産?!】離婚を突き付ける前に知っておきたい財産分与のイロハ
財産隠しとは?その典型的な方法&見つけ方
いざ離婚をしようとした際に気になるのが財産隠しや隠し口座についてです。
今まで妻にお給料を管理してもらっていて、正確に共有財産を把握していない男性は結構いるのではないでしょうか?
もしかすると、あなたが頑張って働いて得た収入を、妻がこっそり隠し口座に貯金している可能性があります。
もちろん今までも、お互いの支えが合って得ることのできた財産ではあるものの、その存在をあなたが知らないうちに、すべて相手に持って行かれてしまうのは納得がいかないと思います。
その場合は、裁判所の嘱託調査というものを利用することで、相手に財産の開示を求める事ができます。
しかし、その場合は隠し財産を保管していそうな口座(銀行支店名)を把握しておかなければ行けません。
調べる口座がわからなければ銀行も情報開示を拒否する可能性のが高いからです。
つまり、口座自体を隠されてしまってからでは遅いのです。
日頃から、知らない口座などの記載がある書類などは無いかなど、意識をしておくことで発見できる可能性もあります。
そして実際に相手に財産隠しをされてしまったとしても、それは残念ながら法律的には罰せられる事はありません。
あなたが理不尽に損をしないようにしてください。
【準備2】離婚した後に住む場所に困らないようにする
これって男性だけじゃなくて、女性も知識をつけておくべき部分よね?
次はどんな準備をしたの??
次は、住むところの準備をしたよ。
あとは、妻がいなくなってから困ることについてもリストアップして、対策をたてておいたよ。
うちの旦那も何か困ることがあるのかしら・・・?
次に実際に離婚をした後に、住む場所に困らないようにしなくてはいけません。
住む場所は、持ち家にそのまま住むのか、またはその家を引き払い、アパートなどを借りるのかなどを現実的に検討する必要があります。
新しく部屋を借りる場合には、敷金や礼金、保証人等が必要となる場合もあるため、ある程度のお金を必ず用意する必要があります。
またあなた1人ではなくあなたがお子さんを引き取った場合、お子さんと住める場所と言う条件で考える必要もあります。
例えば、お子さんの学校など今まで通り通える地域なのか、また引っ越しに伴った転校する必要があるのかなども大事なことです。
ちなみに、父子家庭の約66.8%は持ち家に住み続けることが多い傾向です。
民間の賃貸住宅に住む父子家庭は約15.2%、公営住宅に住む父子家庭約4.8%となっています。
参考:参照:厚生労働省「平成27年1人親家庭の現状について」
【準備3】離婚後、妻がいなくなって困る事をあらかじめ把握する
実際に離婚した後に、1人になった夫が困ってしまう事は、細かい事から大きなことまでたくさんあります。
いくつか例を挙げてみましょう。
1.どこの口座から何が引き落とされているのか把握出来ていない為支払いが滞る
- ガスや水道光熱費はどこの口座から引き落とされているか
- 町内会費などの支払いはどうしていたのか
- 保険やカードなどの引き落とし口座はどこなのか
などなど、金銭面の支払いが滞ると周囲にも迷惑がかかってしまいます。把握しておきましょう。
2.家事全般について今まで妻に任せっきりで分からない
- ゴミ捨ては何曜日にどこに出しに行けばよいのか
- 食事はこれからどうするのか
- 掃除の仕方がわからない
- 洗濯機の使い方がわからない
- 洗剤は何を使えばいいのかわからない
など家事全般について、今まで妻に全てをやってもらっていたと言う方も多いのではないでしょうか。
掃除や洗濯、料理などもいざ実際に1人になって全て自分でやるとしたら、わからないできないと言うことが意外と多いです。
日常生活に必要な最低限の生活の知識は覚えおきましょう。
ちなみに、家事育児を手伝わない旦那さんに対して、奥さんが離婚を決意している可能性もありますので、家事育児での離婚はできるのかどうかもしっかり確認しておきましょう!
>【家事育児をしない旦那】離婚はできる?慰謝料は?どの家庭も同じ?
3.子どもを引き取った時にどうすればいいのか分からない
- 子どもが病気をした時はどうすればいいのか
- かかりつけの病院はどこなのか、もしくは持病があるのか
- 自分が仕事へ行っている間、まだ子どもが小さい場合子供預ける先はあるのか
- 学校行事や、自分がいない間のお弁当等はどうするのか
- どうしても休めない時の学校行事はどうするのか
- 子どもの学校のこと、担任の先生、交友関係、習い事について、きちんと把握できているか
- 必要な物はどこで手に入るか、またいつまでに必要なのかなどを把握できているのか
- 今後、母親がいないことを子どもにどう説明するのか
- もし再婚する際や、恋人ができた場合など、子どもが新しいお母さんを受け入れることができるのか
など、キリがないくらいに大変なことがたくさんあります。
今まで育児の全てを妻に任せていたとしたら、わからないことだらけになってしまうと思います。
脅すようですが、もしあなたが真剣をとって子どもを育てていこうとしているのならば、相当な覚悟が必要ということを覚えておいてください。
そしてもちろん、父子家庭で立派にお子さんを育てている男性もたくさんおられるということを忘れないでくださいね。
離婚で子どもが負うことになる傷について、考えたことはありますか?
夫婦の離婚は夫婦の問題。確かにそうかもしれません。
ですが、あなたたち夫婦は他人同士であっても、子どもにとっては血のつながった両親なのです。
離婚を決意する前に、離婚が子どもに与える影響についても、知っておくことをおすすめします。
> 【離婚を決めるその前に】その離婚、子供を最優先に考えた結果ですか?
【準備4】離婚して子どもの親権が欲しい場合の準備をする
・・・そうそう!ゴン太さんは親権もとったけど、それって大変だったんじゃない?
どうしてもこどもが小さいほど母親に親権が渡りがちだからね。
もし親権が取れなかったら、子どもを連れ去っちゃうっていうのは?・・・ダメだよね。
その、男性が親権をとるための準備ってやつ、詳しく教えて!
もしあなたが本当に、離婚後に親権を取り子どもを育てていきたいと思っていたとしたら、かなり入念な準備が必要であることを覚えておいてください。
なぜなら一般的に男性が親権を取る事はとても難しいと言われているためです。
その理由は・・・
- 父親は毎日仕事で家を空けており、子どもとの時間が取りづらいこと
- 仕事で休みが取りづらく、子どもが一人ぼっちになりやすいこと
- 父親の職業に転勤等が多くある場合、子どもの養育環境を保ちにくいこと
などと言う理由から、一般的に母親の方が子どものそばにいられる時間が長く、断続的に養育していくことができると判断される可能性が高いためです。
また別居時に、子どもを置いて別居したり妻に子どもを連れて出て行かれてしまったり場合は、さらに親権を取ることが難しくなります。
ただし、別居中の子どもを連れ去った場合、未成年略取罪(刑法224条)により、親権や監護権の判断においてマイナス要素となりますので、無理矢理子どもを連れ去ったりなどは絶対にしないことです。
では具体的に父親が親権を取るためにはどうしたらよいかというと、「自分が子どもを育てた方が、子どもが幸せになる」ということをはっきりと示せるようにしなくてはいけません。
そのためにも、妻の悪いところを探して、相手の評価を落とすのではなく、まずは自分が正当評価されるようにすることが重要です。
親権が欲しい男性がやるべきこと&重視すべきこと
- これまでの養育状況はどうだったのか把握出来ているのか
- 離婚後の生活環境の変化について、子どものことを優先して環境作れるのか
- 子どもへの愛情について、絶対的な自信があるのか
- 親族や周りの人などの育児への協力の有無
- 子どもを育てられるだけの経済力はあるのか
- 離婚後に、仕事や家事など両立しながら子どもと一緒にいられる時間が確保できるか
- 面会交流の意思があるのか
最低限このような事について、アピールをすることができたら、母親よりも父親に親権が渡った方が子どもが幸せになると伝えることができるでしょう。
今後このように子育てをしていくと言うことを、具体的に例を挙げて示し、子どものために一生懸命であることを誠意を持って伝えることと、子どもに充てられる時間がたくさんあると言うことが重要視されます。
親権は、良い親のほうに子どもを渡すと言うものではなく、子どもの幸せが最優先されるものであるので、離婚原因を作った側に親権が渡ったとしても、それが子どもの幸せにつながるのであれば問題はないとされます。
昭和63年の父子世帯数は17.3万世帯であり、平成23年度には22.3万世帯まで増えています。そのうち、純粋に父子のみの家庭は平成24年度の時点で9.1万世帯と言われています。
ひとり親世帯になった理由として、父子家庭に1番多いのが離婚であり、次に死別、そして未婚となっています。
参考・参照:厚生労働省 平成27年「ひとり親家庭等の現状について」
また、現実的な問題で父子家庭の養育費の取り決め率は17.5%で、受取率は4.1%まで下がっています。(これは母子家庭の養育費取り決め率37.7%、受け取り率19.7%をはるかに下回る数字となっています。)
あなたに経済的な余裕があるのであれば問題はありませんが、ひとり親家庭の相対的貧困率は54.6% (2012年)と言われており、大人が2人以上いる世帯の相対的貧困率12.4%と比べると、圧倒的に高くなってしまいます。
男性の方が収入があることのが多いですが、子育てと仕事の両立はとても大変な事です。
今まで通りに稼げるとは限りませんので、養育費の取り決めは必ずしておきましょう。
【準備5】離婚理由となるDVや相手の浮気の証拠を集める
あ、そういえば、奥さんからモラハラの慰謝料ももらったんだよね?
慰謝料って、女性が男性に請求するイメージだったから、びっくり。
男性が離婚を考える原因に多いのは「妻からのDV、モラハラ、浮気」などが多い事があげられます。
このような場合、証拠集めをすることがとても重要です。
証拠集めをしようとしていることがばれてしまっては意味がないので、相手に証拠隠滅をされてしまう前に、計画的な証拠集めが必要です。
特にDVと言うと世間的には男性から女性に対するDVやモラハラと広く認知されていますが、実は男性が女性からDVやモラハラを受けているということはあまり知られていないのが現状です。
その原因は、被害者側である男性の方が、妻からDVを受けていることやモラハラを受けていると言うことを周りに言えない場合や、助けを求めることができない事が多いからだと言われています。
どうしても、男性として恥ずかしいと言う部分が周りへのSOSが出せない状態を作ってしまっていたり、自分自身がDVやモラハラを受けているということに気づいていない男性すらいます。
平成28年度3月に発表されている刑事局捜査第一課のデータによると、DV被害者の約88%は女性ですが、約12%は男性がDV被害者となっています。
女性に比べて、低い数字となってはいますが表面化されている数字にすぎず、実際はもっと多くの男性が妻からのDVを受けて苦しんでいると考えられます。
また、妻からのDV被害者の男性は年々増加傾向にあります。
年度 | 妻からのDVを受けている夫 |
平成23年度 | 1,146名 |
平成24年度 | 2,372名 |
平成25年度 | 3,281名 |
平成26年度 | 5,971名 |
平成27年度 | 7,557名 |
また被害者と加害者ともに20代から40代の夫婦が多く、これは相談があったものの統計なので上記でも述べたように現実には水面下に隠れてしまっていることの方が多いでしょう。
またDVとは別にモラハラを受けている男性も多いのですが、モラハラを受けていることにすら気づいていない場合も多いので精神状態を悪化させてしまう要因になりがちです。
あなたの奥さんはこんな人ではありませんか?
あなたが配偶者からのモラハラを受けているかどうかを簡単なチェック項目で確認してみましょう。
- 付き合いだした当初や、結婚当初はとても優しかった
- 何かにつけ周囲に同情誘う発言が多い
- 「あんたこんなこともできないの?」「ほんとバカだよね」などと、意図的にあなたを貶めるような暴言を頻繁に吐く
- うまくいかないことや、気に入らないことを全てあなたのせいにする
- 平気で思いやりのないような嘘をつく
- 外面が良く、外では良い妻だと思われている(演じている)
- 理不尽な理由であろうとも全てにおいて自分を正当化する
- ものに当たったり、何かにつけあなたに八つ当たりをしたり、存在を無視するようなことを平気でする
- あんたなんて、あんたみたいな奴がなどと言うような人権を無視したような発言態度をする
など上記に簡単なチェック項目をあげてみましたが、モラハラな行為をする人間は基本的に、相手の人権を無視したような発言が多く、態度や周りのものに八つ当たりをしがちです。
単なる夫婦喧嘩のワンシーンであればお互いで解決できるかもしれませんが、このような行為が日常的に行われる事は、常に心に暴力を受けているのと一緒です。
DVと同じように、モラハラの被害者になりやすい人は、言われてしまう自分に原因があるのではないか・・・などと自分だけを追い込んでしまうことも多く、またモラハラの加害者はいくらそれを指摘しても、無意識にさらに攻撃的な発言を繰り返す傾向にあります。
DVやモラハラの証拠集めの方法は?
- 妻からのDVによる傷や怪我の写真、診断書、精神的なものであれば精神科医からの診断書を用意すること
- 毎日の日記をつけて、端からどのような暴力や暴言を受けているかなどを明らかにしておくこと(その日のニュースや新聞記事の貼付なども添付しておく事で、立証しやすくなります)
- ボイスレコーダーを設置し、夫婦間の会話、日常的に行われる暴言や暴力などを録音する。またカメラなどで動画で録画などもかなり効果的な証拠にできます
現実的に、証拠集めが難しく何も準備していなかったとしても、思い出せる範囲でいつどのような状態で、何があったかなどを残しておく事はとても重要です。
筆者も実際、配偶者からのモラハラや軽いDVを受けていたことを文章に残したことで、離婚を申し出た際に離婚理由として突きつけることができました。
相手から、「どこにそんな証拠があるんだ?」などと言われてしまった場合少しでも証拠になるような事は日ごろから記録し残す癖をつけましょう。細かいことですが、いずれあなたを助けてくれる物証になるはずです。
また、相手が浮気をしている場合それを立証できる証拠集めが必要になります。
浮気の証拠集めの方法は?
1番確実な方法は探偵や調査機関に依頼し、相手の浮気の証拠を掴むことですが、自分でできることもあります。
自分でできる浮気の証拠集めの方法としては・・・
- 肉体関係があったと言うことが立証できるような証拠写真を撮る
- 言動と矛盾するようなレシートを集める
- 浮気の証拠になるようなメールやLINEなどを撮影しておく
- SNSをチェック
- ICレコーダーで怪しい会話は録音
- GPSで相手の居場所追跡
などが挙げられますが、ばれてしまうと証拠隠滅を図られてしまうので、あなたが証拠集めをしているということがバレないようにするのが1番重要です。
> 奥さんの不貞行為の証拠集めに関しては、「妻が浮気?!怪しいと思ったらチェックしたいポイントと証拠集め」をチェックしてみてくださいね。
【準備6】協議離婚から始まる離婚の流れも理解しておく
私はDVとかモラハラとか経験してないんだけど、無意識に旦那に対してやっちゃってたら怖いな・・・。気を付けよう。
離婚の時に不利になっちゃうし!
それに、離婚の原因を作った側からの離婚請求は認められなくなるから、そのあたりも注意しないとね。
そういえば、やるべきことに「流れを理解しておく」っていうのがあったわね?
離婚の流れって一体何のこと?
協議離婚は聞きなれているかもしれないけど、もし協議離婚で合意できなかった場合には次のステップに進むことになるんだよ。
教えて~!!
離婚の準備を整えて、いざ離婚に向けて進めていく場合、離婚には3種類の方法があります。
- 離婚協議(夫婦間での話し合い)
- 離婚調停(裁判所にて離婚調停委員2人が間に入り話し合い)
- 離婚裁判(裁判)
(※全体の90%の夫婦が離婚協議で離婚をしています。)
1.協議離婚
協議離婚はご存知の通り、夫婦間での話し合いとなります。
話し合いで合意できれば、離婚届を提出して離婚をすることができる、手っ取り早い方法です。
・婚姻費用分担請求(離婚する前に別居する場合)
・親権、養育費、面会交流について
・慰謝料(解決金)について
・財産分与について
話し合いではこれらについて夫婦で取り決めを行うことになります。
ただし、夫婦間の話し合いであるがゆえに、養育費の支払いが滞る、慰謝料が支払われない、婚姻費用が支払われない・・・などのトラブルになることも。
そんな場合でも、協議で決まったことを離婚協議書にし、それをさらに公正証書にしておくことで強制執行をおこなうことができます。
> 公正証書についての詳細は、「【納得できる離婚のために】6つの離婚の仕方と円満離婚の7つの約束」をチェックしてみてください。
そしてさらに、協議離婚で夫婦が合意し、いざ離婚しようという時に必要となるのが、離婚届です。
離婚届には、夫婦二人のサインや捺印、親権者の記入だけではなく、「証人」の署名や捺印が必要となります。
離婚届の証人は法的な責任を負うのか、誰に証人になってもらえばいいのか、誰もなってくれない場合にはどうすればいいのか等、疑問点が多々ありますよね。
証人がいないからといって自分で離婚届の証人に成りすましてしまった場合には、罪に問われ、離婚の準備が台無しになります。
そのような点も含め、離婚届の証人についても知識をつけておく必要があります。
> 離婚届の証人についての詳細は、「【離婚届】証人になる・なってもらう時に知っておくべき7つのポイント」をチェックしてみてください。
> より詳しい協議離婚の進め方については、「※夫婦の話し合いゆえに失敗しやすい!協議離婚の注意点と流れを徹底解説」をチェックしてみてください。
2.調停離婚
協議離婚での夫婦間の話し合いで合意できなかった場合には、離婚調停を申立てることになります。
離婚調停では、調停委員2人に間に入ってもらい、裁判所にて夫婦の話し合いに落としどころを見つけます。
この離婚調停では、調停委員にうまくあなたの気持ちを理解してもらい、相手を説得してもらうことで、あなたの離婚調停を有利に進めていくことができるようになります。
離婚調停は1か月に1回ペースとなりますので、場合によっては長く辛い期間が続きます。
不利な調停にならないようにするために、離婚調停の流れや、調停委員にどのように話せばいいのかという点について、知識をつけておくことをおすすめします。
> 離婚調停についての知っておくべきポイントは、「【漫画で納得!】これを知らないと損をする?!離婚調停10のポイント」をチェックしてみてくださいね。
そして、離婚調停は協議離婚とは異なり、費用が発生します。
自分で申立てる場合と、弁護士に依頼する場合、一体どのくらいの費用が発生するのかも知っておかなくてはなりません。
> 離婚調停での費用はどのくらいかかるのか、1円でも安くするにはどうすればいいのかを知るためには「【1円でも安く】離婚調停の申立てに必要な全ての費用と賢い4つの節減方法」をチェックしてみてくださいね。
事前にしっかり準備をしておくことで、離婚調停にかかる費用を少なくできますし、あなたが有利になるように進めていくこともできますよ。
3.裁判離婚
離婚調停でも合意できなかった場合(離婚調停が不成立に終わった場合)には、審判を経て、離婚裁判へと突入します。
離婚裁判では、法的な離婚理由を挙げて、妻・夫と争うことになります。
この離婚裁判では、協議離婚や調停離婚のように「相手が嫌いだから」「声がムカつくから」などの理由では通用しません。
法的に定められている、5つの離婚理由にあてはまらなくては、離婚請求すらできないのです。
<民法770条1項>
1.相手に不貞行為が合った場合
2.相手から悪意で遺棄された場合
3.相手の生死が3年以上不明である場合
4.相手が強度の精神病にかかり回復の見込みがない場合
5.婚姻の継続が困難な重大な事由がある場合
この5つの離婚理由にあてはまれば、離婚請求をすることができ、裁判で争うことが可能となります。
5つの法的離婚理由の中でも分かりにくいのが、「悪意の遺棄」や「婚姻の継続が困難な重大な事由がある場合」なのではないでしょうか?
一体どのような意味で、どういった時にあてはまるものなのかということも、知っておくべきだと言えます。
また、性格の不一致や、セックスレスで離婚したいという場合、裁判で離婚することはできるのかについても、知識をつけておきましょう。
> 裁判離婚したい時の、法的な条件についての詳細は「※性格の不一致・セックスレスは離婚できる?離婚したい人が知るべき5つの条件」をチェックしてみてください。
> 性格の不一致ってどのくらいの不一致?と思った方は、「【素朴な疑問】性格の不一致で離婚は可能?慰謝料は?どの程度の不一致が必要なの?」をチェックしてみてください。
さらに、法的な理由と言われると、家事育児を手伝わない妻・夫に対しての離婚請求は可能なのかも、気になるところですよね。
そもそも家事育児を手伝わないことを理由に離婚できるのかということについても、知っておくとお得です。
> 家事育児を手伝わない妻・夫に対しての離婚請求については、「【家事・育児を手伝わない旦那】離婚はできる?慰謝料は?どこの家庭も同じなの?」をチェックしてみてください。
また、男性の離婚準備でこれだけは外せないものもご紹介しています。後悔しないようにするために、要チェックです。
>離婚準備であなたが今スグやっておくべき「たった1つのコト」とは?
◆もしあなたがやっぱり離婚したくないと思ったときには…
なんだかやることが多いけど、これらをしっかりやっておけば、男性も不利じゃなくなるってわけね!
僕も準備には時間をかけたから、大変だけど前向きに進んでいってもらいたいな。
でも、いろいろ考えた結果、やっぱり離婚をして正解だったと思ってるよ。
私も、後から「正解だったな」って思えるような選択ができたらいいな。
ここまで様々な離婚準備の方法をお伝えしていましたが、読み進めているうちに離婚をしたくなくなって、もう一度夫婦再生をしたいと考える男性もいる事でしょう。
もし、あなたがそう思えたとしたらそれはとても素敵なことです。どんな夫婦も初めから離婚をするつもりで結婚をしている夫婦がいないからです。
離婚は大きな決意のもとで、今までの生活の全てを変える覚悟して行うものであり、決して一時的な感情で決意するべきものでは無いからです。
もしも、離婚をすることをやめる場合、夫婦の生活においては、以下の7点を意識してみてください。
(1)価値観が違うのは当然のことなので相手の価値観も、違って当然と言うことを受け入れる
(2)これだけはどうしても許せないという部分を正直に伝えて理解してもらう。また、相手が思う事も聞き入れる
(3)小さな事でも感謝の言葉、挨拶を欠かさない
(4)喧嘩した後には、放置せずにきちんと2人で話し合う
(5)妻の話をめんどくさいと思ってもしっかり聞いてあげる
(6)仕事で忙しいんだよ!などと言うような家庭以外の事情を挟んだ言葉は控える
(7)2人で結婚した当初のことを話す時間を作る
夫婦関係は2人で協力して理解しあうことで円満に暮らすことができます。
上記のような努力をお互いに始めることができたら、また仲良く生活していくことも可能かもしれません。
しかし、お互いが協力して理解し合うことが難しい夫婦もたくさんいます。再生を目指すことだけが全てではありません。
あなたが離婚する道を決意したら
様々な事情を抱え、頑張ってきた夫婦生活にあなたが離婚と言う方法で、ピリオドを打ち、新しい人生をスタートさせたいと思ったとしたら・・・
それは逃げていることではありません。
離婚はとても労力を使いますが、できるだけお互いが幸せになれるような離婚条件で離婚ができれば、お互いにとってこれから良い人生の始まりになるきっかけを作ることでもあります。
縁があって夫婦となった2人も、これからまた違う関係になりお互いが自分の人生をしっかりと歩いていけるように、最後はあなたが先導を切って進めることも大切かもしれません。
再生できる夫婦も素敵ですが、これからお互いを応援しあって別の人生を歩めるのも、きっとあなたの人生において素敵な選択肢の1つになるはずです。
離婚の準備を進めようと思った人は…
まとめ
言ってしまえば、夫婦はもともと”赤の他人”です。
育った環境も、関わってきた人たちも全く異なります。
だからこそ、意見の食い違いや価値観の違いがあったり、イラっとするところもあれば尊敬できることもありますよね。
話し合って解決できる夫婦もいれば、そうではない夫婦もいます。
そんなことは分かっていても、妻・夫の嫌な部分が見えてしまうことで、「離婚」の二文字が頭をよぎることはあるのです。
> みんなはどんな時に離婚したいと思うのかな?と気になる方は、「【男女359人に聞いたリアルな声】離婚したいと思ったのはどんな時?」をチェックしてみてください。
筆者も離婚経験者として、離婚後にお互いに感謝できることもあり、離婚後の人生にとても幸せを感じている今、あなたが選ぶ道があなたの幸せを作る道であることを陰ながら応援しています。
私も、男性の離婚準備にはちょっと興味があるわ。