もしかして、旦那さんとの離婚、迷い始めてるの?
旦那との離婚を考えてはいるけど、やっぱり納得して離婚したいし、離婚はするけど円満に~・・・って思って。
実はね、離婚の仕方と円満離婚についての知識をつけておけば、難しいことじゃないんだよ。
幸せな結婚生活を夢見て結婚したのに、うまくいかない事が多く、小さな言い合いから夫婦喧嘩にまで発展してしまうことは、実はどこの夫婦にもあることです。
それを友人などに日々の愚痴を話して、スッキリして解決する。また、第三者にアドバイスをもらって…それで解決するのであれば、あなたが今「離婚について」など調べていることもないでしょう。
他人同士が、夫婦として家族をこれから作り出し、継続していくというのは簡単なようでとても難しい事です。
すれ違いがあって当然のことなのです。
どんなにあなたが相手に対して、または結婚生活に対して、できる事のをすべてやり尽くしたとしても、状況は一向に良くならず、結婚生活そのものが苦痛の日々として生活している方もいる事でしょう。
かつて筆者も、離婚をしたいと毎日思い悩み、考えてはいても、もうどうしたらいいのかわからない。小さな子供をかかえながら、ただただ、毎日が早く終わることだけを祈っていた「地獄のような日々」であった結婚生活を送っていたことがあります。
いくらそんな風に悩んでいても、結婚生活の環境が改善する可能性がない場合、幸せの選択肢として離婚という方法があります。
「でも、具体的にどういう方法で離婚をするのがいいのかわからない。できれば円満な離婚がしたいけれど、この状態からうまく円満な離婚へすすめていく方法がわからない。」
筆者の頭の中は、毎日その事でいっぱいで笑えない日々が続きました。
実際に離婚をするには、いくつかの方法があります。
また、準備不足であれば、無駄に離婚を長引かせてしまうことで損をしてしまうこともあります。
準備不足で長引かせることにならないように、以下の記事は必ずチェックするようにしてくださいね。
>離婚準備であなたが今スグやっておくべき「たった1つのコト」とは?
・きちんと納得できる離婚にするためのポイント
・損をせずに円満な離婚となるようにするためのポイント
など、6つの離婚の仕方と円満離婚のための7つの約束をまとめています。
離婚の仕方で迷っている方、気になることがある方は、円満かつ納得できる離婚のためにぜひ参考にしてみてください。
目次
1.知っておきたい6つの離婚の仕方
だからこそ折り合えなくて、離婚してしまうこともあるんだよ。
さて!まずは離婚の仕方について知っておかなくちゃね!
離婚の仕方はいくつかあって、中には最近新しく始まった離婚の仕方もあるんだよ。
それ知っておかないと損しちゃうやつ?!
ただ離婚をしたいと漠然と思ったとしても、具体的にどんな方法でどんな風に離婚をしていいのかは経験者で無いかぎり知らないものだと思います。
まずは、離婚方法の種類とその内容について説明していきます。
離婚には、大きく分けて2種類、また細かく分けると6種類もの方法があります。
- 協議離婚
- 調停離婚・・・(裁判離婚)
- 審判離婚・・・(裁判離婚)
- 判決離婚・・・(裁判離婚)
- 和解離婚・・・(裁判離婚)
- 認諾離婚・・・(裁判離婚)
上記のように、協議離婚とそれ以外は裁判離婚という分け方になります。
名前を読んでピンとくる離婚方法もあれば、聞いたことがないような比較的新しい離婚方法もありますよね。
では、上記の離婚方法の説明をしていきたいと思います。
【方法1】協議離婚について
協議離婚とは、夫婦間でお互いの同意さえあれば自由に離婚に関する取り決めをして、離婚できる一般的な方法です。
離婚の手順としては、夫婦で離婚合意の話し合いをして、「離婚届け」を市町村役場に提出する事で成立します。
協議離婚のメリットは、法律に当てはめて離婚理由などをいちいち検証する必要が無く、違う言い方をすると手っ取り早い離婚方法だという点です。
「なんだか、この人嫌だな」と思ったから・・・と言うだけでも、お互いの合意さえあれば簡単に離婚ができます。
しかし、協議離婚には大きなデメリットともいえる注意点があります。
それは、離婚に関しての条件(例として、慰謝料、養育費、財産分与など)を口約束にしてしまう事が多く、その多くがその場だけになってしまったり、後に支払われなくなる可能性があるという点です。
そのため、協議離婚をする際は口約束ではなく、夫婦間の話し合いでの取り決めを離婚協議書に残し、さらに公正証書にする事で、万が一の未払いなどの最悪の事態になったときに、法的な効力を持って、協議書の内容を強制執行できるようになります。
円満にスムーズな離婚ができれば協議離婚は理想的かもしれませんが、口約束を鵜呑みにしてしまう事で裏切られて損をして泣き寝入りしてしまう人も多いのが現実です。
面倒に感じる事もあるかとは思いますが、必ず公正証書を作る事を忘れないでください。
【方法2】調停離婚について
調停離婚とは、離婚の話し合いの中で言い合いになってしまったり、相手が離婚を拒否したために、協議離婚(話し合い)が成立しなくなった場合に、家庭裁判所にて調停委員に間に入ってもらい離婚の話し合いをする方法です。
この場合も、調停離婚のメリットとして、あなたが離婚したい理由が法律で定められた離婚理由に当てはまらないもので合ったとしても、申し立てをする事は可能であるという点があります。
調停離婚で話し合ったことは調停調書として残りますが、この場合もそれをさらに公正証書にまで残すことで法的な効力のあるものになります。最後までしっかりと離婚後の準備をしましょう。
【方法3】審判離婚について
審判離婚とは、離婚調停でお互いが離婚についての合意ができたとしても、慰謝料や養育費などの部分で合意ができなかった、という場合に選ばれる選択肢です。
お互いの主張だけでは、そのまま調停を進めていても合意にいたらないと判断されたときに、家庭裁判所が離婚を成立させるために審判するという離婚方法です。
この離婚方法は異議があれば無効となってしまうため審判離婚での離婚例は少ないのが実情です。
【方法4】判決離婚について
判決離婚とは、離婚調停で折り合いが付かずに離婚に合意ができなかった場合に、裁判所の力をもって裁判の勝敗により離婚を成立させるという方法です。
また、その場合は離婚協議や離婚調停とは異なり、判決離婚の裁判においては法的に認められている離婚理由に該当している必要があります。
具体的な該当する離婚理由として(民法770条1項)
- 相手に不貞行為があった場合
- 相手から悪意で遺棄された場合
- 相手の生死が三年以上不明である場合
- 相手が強度の精神疾患にかかり回復の見込みがない場合
- 婚姻の継続が不可能な重大な事由がある場合
などがあげられます。
裁判離婚のメリットは裁判所から判決がでればその判決に従わなければならないので、強制的に離婚をすることができます。
しかし、デメリットも大きく、お金も時間もかかるため、最終的な離婚方法として選ばれる事が多いです。
【方法5】和解離婚について
和解離婚とは平成16年より始まった離婚方法です。
離婚訴訟中に当事者同士が和解をすることで、離婚裁判を終わらせると言う方法です。和解離婚であれば、裁判中でも離婚をすることができ、この離婚問題の早期解決が望めます。
よく混乱されがちな「和解離婚」と「判決離婚」の違いは、両方の離婚方法とも裁判をしているということは同じですが、両者が途中で和解に応じるかどうかという違いがあります。
判決を言い渡されてから離婚をするよりも、和解というかたちのほうが当人達も、世間的にもいい印象を受けやすいともいえます。
また、長くなればなるほど負担の多い離婚裁判です。
裁判の途中で和解をしたほうが、裁判自体を早く終わらせる事ができるため、お互いの精神的・肉体的・また金銭的な負担も軽減する事ができます。
上記のようなメリットがある和解離婚で離婚する夫婦の件数は、実際に増加している傾向にあります。
和解離婚が成立した場合は和解調書が作成されます。
和解調書があれば、万が一取り決めされた慰謝料や養育費が払われないなどのトラブルがあった場合に、執行文付与という手続きを踏むことで、強制執行ができるようになります。
【方法6】認諾離婚について
認諾離婚とは、和解離婚と同じく平成16年から始まった離婚方法です。離婚訴訟中に判決がでるという点では、和解離婚と同じです。
和解離婚との大きな違いは、結果的に和解ではなく、「訴えられた側」が離婚請求に応じるというものです。
しかし、認諾離婚で請求を認諾できるのは離婚請求のみであり、財産分与や養育費などに関しては認諾できません。
離婚裁判の多くは、慰謝料や養育費などを含んでいるために、認諾離婚が成立するという裁判例は非常に少ないのが特徴です。
また、認諾離婚の際には認諾調書が作成されますが、こちらも万が一の時には執行文付与の手続きを踏むことで強制執行できるようになります。
上記の離婚方法のうち、和解離婚と認諾離婚に関しては平成16年よりはじまった比較的新しい離婚の方法であり、その離婚方法を選択する夫婦も増えてきています。
平成16年では離婚の総数270,804組(そのうち協議離婚242,680組、裁判離婚28,124組)
このうち離婚裁判の内訳は
・調停離婚23,609組
・判決離婚3,008組
・和解離婚1,341組
平成20年では離婚の総数251,136組(そのうち協議離婚が220,478組、裁判離婚が30,694組)
このうち離婚裁判の内訳は
・調停離婚24,432組
・判決離婚2,636組
・和解離婚3,486組
参考・参照:厚生労働省:離婚の種類別離婚件数の年次推移(昭和20~平成20年)」
また、離婚に関する統計上も平成15年までは全体の90%程度が協議離婚での離婚を選択していましたが、徐々に減ってきており平成20年には87.8%まで減少しています。
一方で平成16年より始まった「和解離婚」に関しては毎年増加しており、夫婦の離婚の選択肢の多様化が顕著に表れています。
協議離婚・・・約88%
裁判離婚・・・約12%
「厚生労働省:平成21年度 離婚に関する統計」の概況
2.法律の”離婚の理由”に当てはまらないと離婚はできないの?
例えばさ、「この人のイビキがうるさいんで、離婚させてください裁判長!!」みたいなやつ。
あのね、離婚をするためには、法的な理由にあてはまらないといけない場合もあるんだよ。
具体的に教えて~!!
先ほどご紹介した6つの離婚方法のうち、裁判離婚をする場合は、下記の5つの法律で定められた離婚理由に該当している必要があります。
民法770条1項の離婚理由
- 相手に不貞行為が合った場合
- 相手から悪意で遺棄された場合
- 相手の生死が3年以上不明である場合
- 相手が強度音精神病にかかり回復の見込みがない場合
- 婚姻の継続が困難な重大な事由がある場合
5つの理由に該当しない場合でも、協議離婚であればお互いの合意で離婚が可能です。
また、調停離婚の場合でも、話し合いの手続きであるため「離婚原因」がなくても離婚調停を申し立てることはできます。
しかし、口下手であったりして説明が下手(不十分)な場合はうまく離婚できないこともあります。調停委員に納得してもらえるようにあらかじめ整理しておきましょう。
また、調停離婚の場合、解決金や今後の生活費というような気持ちで「慰謝料」を支払うことを了解している場合には「離婚の理由」は問われません。
相手が離婚を拒否している場合には裁判での離婚となるため、5つの離婚理由にあてはまる理由が必要になります。
また、上記の離婚理由を証明する手段として証拠を集めておく必要があります。これはのちに慰謝料などの取り決めのでも重要な内容となってきます。
証拠集めの具体的な方法とは・・・
「相手に不貞行為が合った場合」について、これはいわゆる不倫・浮気に関してですが、この場合は不貞行為の証拠をつかむことが必要です。
レシートやメール、LINEの写真やスクリーンショットなどでもいいのですが、できれば不倫相手との性交渉の証拠を手に入れることをおすすめします。しかし、これは素人では難しいため、専門家(探偵)などに依頼するほうが確実です。
「婚姻の継続が困難な重大な事由がある場合」にあてはまる理由としてDVやモラハラなどがあげられます。
DVであれば、DVを受けた体の傷の写真と診断書を用意することが必要です。
(もし、今の段階ですでに生命の危険があるような状況であったり、日々の暴力におびえながら生活しているような状況であれば、すぐに逃げてください。あなたやお子さんの命が最優先です。)
モラハラの場合は、レコーダーなどで相手の暴言や精神的に追い詰めてくるような言葉を録音しておいたり、ノートや日記に記録をしておく事が重要な証拠となります。
(できれば、当日の新聞やニュースなどの切り抜きなどを添付しておくとさらに良いです。)
3.離婚の前に別居はするべき?
協議離婚は、相手が同意してくれれば理由はなんでもいいんだ。
別居はね、したほうがいい場合と、しないほうがいい場合があるんだ。
闇雲に家を飛び出してしまうと、後々こちらから離婚を申立てられなくなることも・・・
よく離婚を悩む夫婦の間で悩むことが多いのか離婚前の別居についてです。「まずは、離れて冷静になって!」などと周囲に言われることもあるかと思います。
筆者の場合もそうでした。
では、実際に離婚前の別居に関して、別居をした方がいい場合と、別居の際に気をつけなくてはいけないこと、この2点について詳しく説明していきます。
別居をした方がいい場合について
まずは別居をした方がいい場合の例として、DVやモラハラなどがある場合です。
精神的にも肉体的にも別居をした方が安心できます。(もちろん生命の危機がある場合はのんびりしていないですぐにでていきましょう)
また、夫婦間の関係がこじれてしまっていることで、一緒に住んでいてはまともに離婚の話し合いができないような状況の場合は、別居をすることでお互いが冷静になれて、話し合いができるようになることもあります。
別居の際に気をつけなくてはいけないこととは
離婚前の別居については2つの注意点があります。
- 悪意の遺棄に当てはまってしまうこと
- 婚姻費用の請求を忘れないようにすること
もし、言い合いになって、カッとしてしまい勢いで、相手の合意を得ずに飛びだして行ってしまった場合には、「悪意の遺棄」に当てはまってしまうことがあります。
下記にその当てはまってしまう可能性のある内容をあげてみます。
「悪意の遺棄」にあてはまってしまうこと
悪意の遺棄にあてはまってしまうこととして、以下のような点があります。
・夫が理由もなく妻に生活費を渡さない(主夫の場合は妻)
・仕事をしない
・妻(夫)の帰宅を妨害する
・不倫相手のマンションに入り浸ってしまって帰ってこない
・結婚相手を虐待して追い出してしまった
・実家に帰ったまま戻らない
このような行為が当てはまります。
例外として、DVなどで別居をする場合は悪意の遺棄には当てはまりません。また、夫婦がお互いに別居を同意している場合にも当てはまりません。
では、「悪意の遺棄」に当てはまってしまった場合はどうなるのでしょうか。
悪意の遺棄に当てはまってしまった場合は、離婚請求ができなくなります。また、それどころか慰謝料の請求をされてしまうこともあります。
つまり、別居をする際には、事前に別居をすることをきちんと話し合って合意をとってから別居する必要があるということです。
また、実際にどのくらいの夫婦が離婚前に別居をしているかというと、厚生労働省の平成21年度「離婚に関する統計」の概況 人口動態統計特殊報告によりますと、
・平成20年の離婚件数・・・251,136件
・そのうち別居していた件数・・・183,377件
ということは、平成20年に離婚した夫婦のうちの73%が離婚前に別居をしてるという結果がでています。
また、上記データの図12-1の同居をやめたときから届け出までの期間(別居期間)別構成割合を参照すると、別居期間が1年未満で離婚に至っている件数の割合は約82.5%でした。
「婚姻費用を請求すること」をわすれないこと
そして、別居の際には、収入が多い方に対して、「婚姻費用請求」が可能です。
これは夫婦のうち、収入が多い方が、少ない側に対して生活費を支払うことです。婚姻費用に関しては算定表を基準にだいたいの目安や相場がわかります。
(算定表には主流で使われている現算定表と新算定表が存在します。)
裁判所:養育費・婚姻費用算定表
日弁連:新算定表
協議離婚をしようとしている場合などは、夫婦で冷静に話し合えない場合などは、別居をする事も非常に有効な手段ではあります。
感情的になって悪い方向になるよりは、クールダウンすることで、冷静に今後のことを話し合える環境をつくれることもあるからです。
4.円満に手っ取り早く離婚するための7つの約束事
じゃあ、「実家に帰らせていただきます」じゃなくて、「実家に帰りたいのですが、いいですか?」じゃないとダメなのね。
じゃあさ、円満に離婚するにはどうすればいいの?
実際に円満な離婚を希望する人がほとんどではありますが、円満な離婚とはどういう離婚のことをいうのでしょうか。
揉め事や争いを最小限にとどめて短時間(短期間)で迅速に離婚に向けて話し合いができる離婚です。離婚は、結婚と違って本当に体力も気力も消費します。
たとえそれが長期化しない場合でもとても疲れます。それを少しでも早くしっかり解決させる円満離婚は理想的な離婚の仕方です。
協議離婚が円満離婚の方法として選ばれやすいのはこのためです。
円満離婚をするためには7つの約束があります。
【約束1】お互いに離婚をしたいという気持ちがあること
離婚はお互いの合意があって円満に進めることができます。
そのため、まずはお互いに離婚の意思を固めることが必要となります。
【約束2】お互いに財産をすべて見せ合うこと
離婚でのトラブルで多いのは財産分与などの金銭的な問題です。
円満な離婚を目指すのであれば隠さずにお互いに開示しあって婚姻期間中に夫婦で築いた財産に関しては精算して新しい生活をスタートするようにしましょう。
【約束3】離婚前の不貞行為をしないこと
これは簡単に想像がつくとは思いますが、離婚前の不貞行為はやはり話がこじれてしまう原因になりかねません。余計なトラブルのもととなる行為は控えましょう。
下手をすれば、逆に慰謝料を請求されてしまうこともあり得ます。
【約束4】相手の悪口を言わないこと
相手の悪口を言っているようでは、円満離婚は目指せません。
お互い人間です。いいところも悪いところもあって当然です。悪口を言えているレベルであればむしろただの夫婦喧嘩の延長程度かも知れません。
離婚を決意しているのならば、何をどう言おうと、もう他人としてお互いに別の人生を歩むのですから、他人の悪口は言わないに限ります。
円満な解決を望むのであれば、特に意識しておきましょう。
【約束5】子供を操らないこと
これは離婚をしようとしている家庭には注意して欲しいことですが、子供は夫婦の離婚には無関係であることを認識してください。
どんな離婚理由で離婚をするにせよ、夫婦が離婚をして他人になったとしても、親子関係は続きます。
子供を夫婦の離婚のダシに使ってはいけません。
【約束6】お互い冷静に話し合うこと
円満離婚は冷静に話し合うことが重要です。そのため、話し合いのつもりが感情的になってしまってヒートアップしてしまうような状況では、円満な離婚はできません。
普段の状況では冷静に話し合うことが厳しいのであれば、冷静にお互いが話し合える環境をつくりましょう。
そのためには別居期間をおいてみるのも非常に効果的な手段ではありますが、悪意の遺棄とされてしまわないように合意の上での別居をおすすめします。
【約束7】取り決めは公正証書にすること
また、離婚の話合いには半年以上かけてでも、じっくり取り決めを行う必要があります。
財産分与・親権・養育費・面会交流・婚姻費用・慰謝料などをしっかりと取り決めし、必ず公正証書に残しましょう。
特に多いが養育費をめぐるトラブルですが、公正証書を作成しておけば、もし取り決めが守られなかった場合には強制執行が可能です。
母子世帯の母の養育費の受給状況(母子世帯になってからの年数階級別)は、
平成23年度 総数1,332世帯(100%)に対して、現在も養育費の受給を受けている世帯は263世帯(19.7%)です。
つまりは、いくら取り決めをしていても、続けて支払いをしているのはわずか19.7%の世帯でしかないのです。
参考・参照:厚生労働省 平成23年度全国母子世帯等調査結果報告
このような実情が現在の母子世帯の背景にあります。
そのためしつこいようですが、取り決めは必ず公正証書に残しておくことで、支払いを続行してもらうことができ、後に言った言わないの見苦しい争いを避けることができることができます。
◆公正証書の作り方
このサイト内でも多々登場しますが、離婚について調べていくと良くでてくるのが、公正証書です。ここで公正証書とはどういうものかを説明しておきます。
公正証書は、様々な契約の成立などを公証人が当事者から聞き、または体験した上で、作成してくれる書類です。公正証書には、証拠としての効力や、債務名義としての効力、そして心理的な効力もあります。
公正証書は公証役場で作成できます。
全国には300ほどの公証役場があり、県庁所在地にはほぼ必ずあります。
また、遠方であったり様々な理由で出向くことができない場合でも、委任状があれば弁護士が代理人となって作成手続きをすることができます。
日本公証人連合会:公証役場一覧
http://www.koshonin.gr.jp/list/
公正証書にかかる費用は、目的金額(ケース)によって違っていますが、金銭に関することであれば、その行為によって得られる金額によって公正証書の作成費用も異なります。
公正証書作成の基本手数料
100万円以下 | 5,000円 |
100万円~200万以下 | 7,000円 |
200万~500万以下 | 11,000円 |
500万~1,000万以下 | 17,000円 |
1,000万~3,000万以下 | 23,000円 |
3,000万~5,000万以下 | 29,000円 |
5,000万~1億円以下 | 43,000円 |
1億円~3億円以下 | 4万3,000円に5,000万までごとに1万3,000円を加算 |
3億円~10億以下 | 9万5,000円に5,000万までごとに1万1,000円を加算 |
(日本公証人連合会:公証役場手数料)
公正証書は、通常の契約書類のように、原本は2部ではなく、1部のみでありその原本は公証役場に保管されます。そのため第三者による改ざんを防ぐことができます。
また、当事者同士には謄本が交付されます。
法律の専門家が関与し手作成される公文書なので、特に金銭面に関しては強制執行認諾条項を定めておくことで、「強制執行」の申立を行うことができる非常に重要な書類です。
離婚時の取り決めは金銭的なトラブルが多く、この公正証書を作成しておくことで様々なトラブルを未然に防ぐこともできます。
5.離婚の取り決めについて
離婚の取り決めもしないといけないから、不利にはなりたくないからね。
あなたが相手に離婚を切り出すにあたって、先に知っておいて欲しいことがあります。それは、先程からでてきている離婚の取り決めについてです。
離婚時に取り決めが必要なのは、次のようなことです。
慰謝料
(損害があった場合において必要な取り決めですので、必ずしも必要ではありません)
婚姻費用請求
(別居時の生活費として請求する金額を取り決めます)
財産分与
(結婚期間中の夫婦の共有財産にたいして、それを基本的には2等分して分配します)
財産分与については、ある程度の知識をもっておかなくては損をしてしまう可能性があります。
借金やローンなどは財産分与に含まれるのか等も、知識をつけておきましょう。
【借金・相場・隠し財産?!】離婚を突き付ける前に知っておきたい財産分与のイロハ
また、夫婦の間に子供がいる場合は、
親権
(子供をどちらが今後養育していくかを取り決めます)
養育費
(子供が成人するまで支払われる費用で具体的な金額と支払い条件などを取り決めます)
面会交流
(子供を引き取らない方の親が子供に会う条件や方法などを取り決めます)
などの取り決めが必要となります。
また、養育費など子どもに関する取り決めについても、知識をつけておくことが必要です。
子どもが不自由な思いをすることがないようにするためにも、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
【離婚養育費の不安や疑問】こどもの為に知っておきたい5つのこと
離婚を切り出すまえに上記のような取り決めを行う準備が必要です。そのために、財産の把握や浮気の証拠、親権を取るための事前準備などを、しっかりとしておきましょう。
確固たる証拠をつかむことで、慰謝料の請求などがスムーズにおこなえます。
落ち着いて、冷静な判断ができる間に着々とすすめておくことが必要です。
何も準備をしないままに離婚を切り出してしまうと、逃げられてしまったり、証拠隠滅をはかられてしまったり、財産隠しをされてしまう可能性もあります。
くどいようですが、準備をしっかりしてから離婚することはとても大切です。
つい忘れがちな離婚準備でありながら、とても重要なことでもある、今スグやっておくべき「たった1つのコト」をチェックしておきましょう!
まとめ
そんで~、慰謝料たっぷり~養育費もたっぷり貰って~・・・ブツブツ
離婚をしようとしている人の大半が、その具体的な方法を知りません。
離婚は、きちんと時間をかけて、下準備をした上で、冷静に夫婦で取り決めをすることで、円満離婚を実現することもできるようになります。
そして残念ながら幸せな結婚生活を送ることができなくなってしまったとしても、これから幸せな離婚という形で、夫婦別々に今後の人生をやり直すきっかけを作ることはできます。
大変なことはたくさんありますが、少しでも前にむかって行動することで、離婚を決意しているあなたが幸せな人生の再スタートをきれるように筆者も応援しています。
夫婦がずっと仲良くいることって難しいのかしら・・・