目次
1.離婚を有利に進めるために女が離婚準備でやるべき8つのこと
さっそく下の説明を見てみよう。
後悔しない離婚をするにあたって、やっておくと有利になることを大きく8つに分けて紹介するので、チェックしてみてください。
- 貯金をする
- 仕事を探す
- 家を探す
- 離婚後の生活をシミュレーションしてみる
- 慰謝料や養育費、共有財産を知り財産分与について考える
- DVや浮気などの証拠を集める
- こどもの学資保険などの契約名義変更と印鑑の用意
- 別居してから離婚する場合は、婚姻費用請求を行う
離婚を有利に進める8つのポイントをおさえておくことで、離婚後にお金に困窮し借金をしてしまう可能性も低くなります。
また、不倫やDVによる離婚の場合、夫に勘付かれることで財産隠しや証拠隠滅を図られる確立が低くなります。
そして、慰謝料や養育費、共有財産を明確にしておけば、離婚後に金銭トラブルが発生しにくく、夫と連絡を取る機会をグンと減らせます。
【ポイント1】貯金をする
結婚時に専業主婦になったりパートタイム勤務へ変更したりと、独身時代に比べてガラッと生活が変わったという人も多いですよね。
そういったケースでは、離婚後もしくは別居の際の家賃・引っ越し代の他に、就職や転職が安定するまでの当面の生活費などを考える必要があります。
就職や転職の場合なら、半年程度の生活費を確保しておくことで、精神的に余裕のある生活ができるでしょう。そう考えると、100万円程度が必要となります。
ここで注意しなければならないのは、お金を貯める方法です。
別居期間以外の婚姻期間は、すべて共有財産として財産分与しなければなりません。
自分のお金として確保できるのは、独身時代の貯金と両親からの相続金、別居期間中に貯めたお金くらいです。
夫に内緒でへそくりを貯めれば良いと考える人もいますが、夫ときっぱり別れたいと考えているのであれば、もめごとに繋がらないように、へそくりは極力しないほうが良いでしょう。
【ポイント2】仕事を探す
専業主婦やパートタイムだった場合、新しい仕事を探すところから始める必要があります。
離婚してから実家に帰って仕事を探すというのも方法のひとつではありますが、子供がいるケースなどでは、自分の収入で家計を支えられるようになってから離婚に踏み切るほうが安全です。
収入そのものを上げるためには、資格を取ったり、今までのキャリアを生かして転職したりする他、ネット上でできる仕事を探すといった方法が一般的です。
資格を取る際は、看護師や介護士、保育士といった、1年以上厚生労働省の認めた学校や施設へ通い、決められた科目を習得しなければならない資格を取得たい人もいるでしょう。
そのようなときは、母子家庭自立支援給付金の高等職業訓練促進給付金等事業がおすすめです。
職業資格を取得するために月7万500円~10万円の給付金が支給される制度です。学校や施設に進学するので、入学費用や学費はかかりますが、資格を取得している分、何らかの事情で離職しても職場復帰がしやすいです。
ただし、給付金だけでは生活は難しいので、学校や施設に通う間、子どもの面倒をみてくれる人の手配や生活費の確保もしなければならないので、かえって大変になってしまうことも考えられます。
資格取得は容易ではないことを心得て、自分にとってのメリット・デメリットをよく考えてから申請に踏み切るようにしてください。
【ポイント3】家を探す
子どもがいる場合は特に大切です。住民票の居住所が夫と妻で分かれていなければ、母子手当(または児童扶養手当)の申請を出すことができません。
実家にお願いし、実家に戻るのは経済的・精神的に安心ですが、生活できるだけの収入があり、母子手当を受給したいと考えているのであれば、新居へ引っ越しましょう。
DVの被害に遭っている場合は、シェルターで保護してもらえますが、経済DVやモラハラでは多くの場合助けてもらえません。
すぐにでも身の安全を確保したいときは、ウィークリーマンションなどに引っ越すにもひとつの方法です。子供がいる場合にはなおさら、別居先が知られないようにしつつ出ていくことが重要です。
DVや児童虐待の事実が認めらるケースでは、市区町村よりDV等支援措置が行われ、夫は妻の住民基本台帳が見られなくなりますし、住民票や戸籍の附票を請求が不可能となります。
転居先の住所や新しい携帯電話の番号などを絶対に知られないように、あらかじめ郵便局へ転居届を提出し、そのうえで警察や市区町村の相談員に連絡しましょう。
また、筆者の経験談になってしまいますが、妻名義の家ならば、夫に家を出ていってもらうことになります。
離婚届を出す前に夫が引越ししてくれるなら良いですが、居座って出ていかないケースも稀にあるようです。このような場合は、「先に離婚届を提出し強制退去させることができる」と、法テラスからの回答を貰いました。
また、経済DVに当てはまる状況だったので、配偶者暴力相談支援センターにも連絡しています。
法テラスや区役所などの無料相談では、年代と性別しか確認されません。
DV相談の記録が残るように、警察の生活相談課や配偶者暴力相談支援センターに相談しておくのもひとつの方法です。
筆者のような境遇にある方は、先に区役所の無料相談や法テラス、配偶者暴力相談支援センターに相談してみることをおすすめします。
【ポイント4】実際に生活していけるかどうかをシミュレーションする
仕事を決め、引っ越したい地域の家賃相場や引越し費用を計算したら、次は実際に生活していくうえでどのくらいの費用が掛かっているのかを算出すると安心です。
ひとり暮らしのときとは、価値観の変化や子どもの有無により生活費が変わっている人も多いでしょう。
固定支出や食費・日用品代・保育園代・衣服代・医療費などを洗い出し、離婚後に得られる給料で暮らせるかどうかを考えます。
生活費を計算したときに、マイナスになってしまう場合は、節約レシピを試してみるなどして、削れる部分がないか見直してみましょう。
また、婚姻中は専業主婦だった、パートタイマーだったという場合は、母子手当(または児童扶養手当)(または児童扶養手当)が受け取れるので、養育費や児童手当と合わせて計算すると明確なシミュレーションができます。
【ポイント5】慰謝料や養育費、財産分与について考える(共有財産がどれだけあるか明確にする)
慰謝料や養育費、財産分与などについても考えておくことが必要です。
慰謝料について
慰謝料は、婚姻生活において身体的・精神的に苦痛があるときに請求できます。
わかりやすいのは、モラハラ・DVなどでしょう。
証拠をしっかりと集めておくことで、確実に慰謝料を取ることもできるので、離婚を伝えるまでに準備しておくことが大切です。
養育費について
未成年の子どもがいるならば、離婚原因が性格の不一致であろうと関係なく養育費を請求きます。原則、離婚時に育てている子どもが20歳になるまで受け取れます。
ただし、養育費を20歳になるまで支払い続ける男性は全体の20%程度と言われています。養育費を受け取るためには、公正証書を作成しておくなど、知識を持っておかなければなりません。
養育費の相場や請求方法、注意しておきたいことなどについて、知識をつけておきましょう。
【離婚養育費の不安や疑問】こどもの為に知っておきたい5つのこと
財産分与について
婚姻期間中に購入したものや貯めた貯金、収入などは、名義に関係なく夫婦の共有財産となるので、離婚時に1/2にするケースが多いです。
現在の貯金額だけでなく、借金やローン・家財道具や保険、年金も含まれるので、計算や手続きが複雑になり、財産分与をあきらめる人もいますが、新たな生活をするためには必要なことなのでめげずに取り組みましょう。
財産分与する際に必要なもの
・不動産の登記簿謄本
・車の査定
・夫の給与明細などの書類
・各種保険の証書
・有価証券
・夫の年金証書
夫名義の証書などは、別居時や離婚時に持ち出すことが難しいので、あらかじめコピーをとっておくことが大事です。
また、結婚後に購入した車は、名義が夫であろうが妻であろうが共有財産となりますので、査定を行い、時価を割り出し、その半分の金額を受け取ることが可能です。
離婚準備に感づいて財産隠しをする男性もいるので要注意です。
夫の口座番号や支店名などの詳細も余すことなくコピー、メモをしておきましょう。
共有財産に含まれないもの
離婚時に財産分与をするが、共有財産に含まれないものもあります。
- 親からの相続金
- 別居してから貯めた貯金
- 独身時代に貯めた貯金
これらは財産分与の対象にならないので、計算して確保しておきましょう。
財産分与はとてもややこしく、損をしないためにも様々な知識をつけておく必要があります。
以下の記事で借金やローンはどうなるのか等についても説明していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【借金・相場・隠し財産?!】離婚を突き付ける前に知っておきたい財産分与のイロハ
【ポイント6】DVや浮気などの証拠を集める
DVや浮気・不倫が原因で離婚を考えている場合は、証拠を集め、離婚の決め手となったものを残しておくことが大切です。
DVならば、暴力によってついた傷や痣の写真、病院の診断書が証拠となります。
不倫の場合は、肉体関係があったと確証できる動画や写真が必要です。
日記に夫の行動を記録しておくことも証拠になりますが、肉体関係の有無まではわからないので、性格の不一致やセックスレスなどといった原因になってしまうこともあります。
探偵事務所を使って動かぬ証拠をつかむことも可能です。ただし、この場合は探偵費用を負担しなければなりません。
自分で尾行して写真を撮る、ボイスレコーダーで音声を録音するといった方法も証拠のひとつになりますが、あまりおすすめできません。
夫に勘付かれてしまった場合には、証拠隠しをされてしまう可能性が高まってしまいます。
証拠隠しをされた後に探偵に依頼すると尾行に時間がかかるなどで費用が増えてしまいます。
【ポイント7】学資保険などの契約名義変更と印鑑の用意
学資保険や生命保険は、満期まで支払わなければ元本割れしてしまうケースが多いです。そのため、離婚しても解約せずに持ち続けたいと考えるでしょう。
離婚後に学資保険の名義を変更しようとすると、元夫が解約していたという例もあります。払戻金を持ち逃げさせないためにも、離婚前に保険契約者の名義と受取人を変更しておくようにしましょう。
実印も銀行印も、夫に使用されることのないよう、しっかり隠しておくことも大切です。
また、婚姻時に夫の姓で実印登録をしていた場合は、離婚後に苗字が変わり実印を新しくすることになります。
機械彫刻であれば、即日・数時間で作成可能ですが、防犯・風水を気にするのであれば手彫りがおすすめです。手彫り印鑑作成には1~2週間かかってしまうので、離婚前に作成しましょう。
そうすることで、離婚後の手続きをスムーズに進められます。
筆者の場合、離婚前に下の名前のみの実印を作りました。
女性の場合、名前のみの実印をつくれます。
今後、何かしらの理由で苗字が変わっても、名前のみの実印なので印鑑登録の変更手続きをしなくて済みます。
はんこ屋でお願いすることも考えましたが、はんこ自動販売機で名前を入力し、デザイン修正画面で先に描かれた線をのばしたり短くしたりすることで、誰とも被らない実印を作成しました。
はんこ自動販売機なので、作成時間は10分程度、費用は3000円でした。
時間や費用に余裕のない人におすすめです。
【ポイント8】別居する場合には婚姻費用請求
離婚準備を内密に進められない、すぐにでも離れたいという場合には、別居するのもひとつの手です。
専業主婦やパートタイムで働いている妻ならば、新たなバイト先を見つける、就労時間を増やすなどしてから別居を始めましょう。
その際には、生活費として婚姻費用請求という、離婚していない間の別居期間の生活費が請求できる制度があります。
離婚成立後に請求することはできませんが、別居先が実家でも、生活費の請求なので受取可能です。
ただし、1ヶ月働かずに暮らしていける金額には程遠く、思っていたよりも低い!と感じる人が多いので、事前に確認しておくのが安心です。
例1)
夫:収入月25万円
妻:収入月8万
子ども:3歳が1人
→月4~6万円に婚姻費用請求が可能です。
例2)
夫:収入月35万円
妻:専業主婦
子ども:15歳が1人、12歳が1人
→月8~10万円の婚姻費用請求が可能です。
裁判所:養育費・婚姻費用算定表
2.貯金ってどれくらいあればいいの?離婚後に必要な生活費について
今のパートを続けるよりも、もう少しお給料が増えるようにしたほうがよさそうね。
離婚時にも離婚してからも、必要不可欠なのが”お金”です。
離婚の原因が経済的な理由である人もいるでしょう。そういった人は特に、離婚後に必要な生活費を確保してから行動することをおすすめします。
◆とりあえずいくらあれば安心なのか?
どの程度の貯金が必要かを算出する例としては、以下のものがおすすめです。
・家賃(半年分)
・引っ越し費用(敷金・礼金を含める)
・冷蔵庫や洗濯機などの家電、家具
・食費(半年分)
半年分を目安としているのは、転職や就職によって収入が安定しない可能性があるからです。
また、子どもが環境の変化によって体調を崩し、仕事ができなくなってしまうことも考えることが大切です。
敷金や礼金、家具家電を最低限の費用に切り詰めても、大体70万円程度必要になります。
そう考えると、大体150万円以上あると安心して離婚ができると言えます。
また、子どもを連れて離婚する場合、子どもにかかる費用を加えるのも忘れないようにしましょう。乳児ならおむつやミルク代、幼児以上ならば保育園代や行事経費かかってきます。
子どもの生活費用も含めるならば、150万円ではなく、200万円は欲しいところです。
離婚届を提出したからといって、すぐに母子家庭の手当てを受け取ることはできないからです。
現在保育園に通っている子供がいるならば、離婚後の次の月から保育料は母子家庭の収入に合わせた金額になりますが、離婚した月は婚姻時の保育料を支払わなければなりません。
児童扶養手当に関しても、離婚届を提出し、妻の戸籍を新しくする場合、そこに子どもの戸籍を移すまでに1ヶ月程度かかってしまいます。
子どもの戸籍を移し終えてから児童扶養手当の申請をし、次の月から手当が支給されます。
加えて、児童扶養手当の支給は年3回です。
4ヶ月分をまとめて振り込む形になっているので、離婚した月によっては、ほとんどもらえないこともあります。
離婚してすぐに母子家庭としての援助を受けられるわけではありません。また、専業主婦だったので生活保護を受けたいという場合も同じです。
最短でも支給までに1ヶ月かかってしまいます。
2~3ヶ月分は援助なしで生活することを考えてシミュレーションしておきましょう。
シミュレーションの際は、子どもが環境の変化によって体調を崩して収入を得られなくなってしまう可能性も考えておくと安心です。
シングルマザーの平均実収入は215,458円で、そこから保険料などが差し引かれます。
月944円の赤字が出ているとの結果もあるので、実収入で20万円以上の収入が見込めない場合は、貯金額を多めにしておく、食費を節約するシミュレーションをしておくなど対策しておくことが大切でしょう。
参考元:平成26年全国消費実態調査 二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果
専業主婦の方の離婚では、いくつかのリスクが付きまとうことになります。
そのリスクを回避するためには、どうすればいいのか理解しておかなくてはなりません。
【専業主婦の離婚】リスクを回避して幸せに離婚するためのルールまとめ
◆もっと具体的な数字を出して貯金したい場合
実際に得られそうな給料や養育費、児童手当や母子手当(または児童扶養手当)を算出して、家賃や光熱費、ネット代やスマホ代などの通信費、食費、教育費、洋服代などを引いてみましょう。
支出が多い場合
財産分与や独身時代の貯金、相続金で賄えるか考え直してみましょう。それでもマイナスになってしまうならば、家賃を下げる、副業、節約メニューを作ってみるなど、違う生活シミュレーションを行いましょう。
家具や家電をそろえる際、テレビを買わない、スマホを使用しないようにすることで費用を抑えられます。
ただし、固定電話がない場合、スマホを持たないと仕事ができないこともあるので、格安スマホに切り替えるのもよいでしょう。
収入が多い場合
子どもの年齢が高くなるにつれて、進学や塾代などで出費は増えていきます。なるべく貯金を増やしていけるように努力するとよいでしょう。
離婚時に転職をする場合は失業保険で生活を整えることも可能
場合によっては、失業保険を受け取れるケースもあります。
ただし、受給できると決まっても、自己都合の離職に当てはまるので、3ヶ月の受給制限があるため注意が必要です。
◆離婚後の生活費を考えるうえで注意すべきこと
養育費や慰謝料を計算に含むこともできますが、養育費が最後まで支払われるケースは少ないです。
また、慰謝料も減額申請されてしまえば金額も少なくなってしまうため、思ったよりも収入が減ってしまい生活ができないということになりかねません。
公正証書を作成するなどして、養育費や慰謝料の不払いを請求することも可能ですが、元夫が無職になっているなど、手元にまったくお金がないときは支払われないケースもあります。
そのような事態になったときはどうするかも含めて考えておくことが大切です。
養育費や面会交渉についての公正証書を作成するときは、覚書として家族構成と離婚をお互いに合意していること、親権と養育権はどちらにあるのか、養育費を支払う期間と金額、慰謝料や婚姻費用請求についてなど、2人で取り決めたことを書いて、公証役場持っていきましょう。
それを元に公正証書を作成するので、作成時間を短縮できます。
認印と運転免許証またはマイナンバーカードと認印など身分を証明できるものと一緒に提出します。
参照元:日本公証人連合会 必要書類
また、公証役場は全国に287箇所あり、どこでも作成可能なので、都合のよい機関で作りましょう。
3.不倫やDVの証拠集めって具体的にどうすればいいの?
隠されちゃったら大変だからね。
旦那も浮気してるかもしれないし・・・そういえば昨日も・・・ブツブツ
離婚の最たる理由が生活の不一致ではなく、不倫やDVである場合、証拠を集めることで慰謝料を請求したり、離婚を拒否されても離婚調停や裁判で離婚を受理してもらうことができます。
【ケース1】夫の不倫が原因で離婚したい場合
浮気や不倫が原因で離婚したい場合には、証拠が必要となります。
慰謝料を請求できるのは、肉体関係の伴う不倫のみとなるので、直接性行為はあったとわかるものを手に入れることが重要です。探偵や弁護士など専門家の力を借りて証拠を得るのが確実です。
自分でも証拠を集めることはできますが、不倫の証拠として認められないこともあります。
ただし、夫が離婚に応じない場合には、性格の不一致や夫婦生活の困難を訴えることができるので、記録しておいても損はないでしょう。
証拠として使えるもの
- 夫の様子が変だと感じた日の日記
- スマホのメールや電話の録音
- パソコンの中にある写真
日記を書くときには、その日の新聞記事やニュースをメモすることでねつ造の疑いを晴らすのがポイントです。
【ケース2】夫のDVが原因で離婚したい場合
DVといえば身体的な暴力が思いつく人も多いでしょう。
しかし、話し合いの際に無言になる、暴言を吐く、命令なども精神的な暴力にあたるので、DVに含まれます。
証拠として使えるもの
- モラハラがあった場合には、ボイスレコーダーでこっそり録音して証拠を残しておく
- 暴力の場合は、傷を写真に残したり病院で診断書をもらう
- 地域の女性相談センターや配偶者暴力相談支援センター、児童相談所、警察、全国のNPO法人に相談しておくと来所記録がつくので、証拠になる
- 可能な限りデジタルではなくアナログな証拠を残しておくとねつ造を疑われない
DVの場合は、離婚を切り出すことで暴れ出す危険性があるので、市や区の無料相談や弁護士に相談のうえ、身の振り方を考えるのがよいでしょう。
状況によっては民間団体が一時避難場所として指定した施設「民間シェルター」で保護してくれるケースもあるので、辛い現状から抜け出すことができます。
平成28年11月時点で、115もの団体が民間シェルターを運営しています。全国各地に施設があるので、相談機関に現状を伝えてみましょう。
参照:内閣府男女共同参画局
無料相談がしにくいと感じ、身内や友人を間に挟む人もいますが、トラブルに発展してしまう可能性があるのでおすすめできません。
筆者が法テラスに相談した際には、直近(1週間以内)に暴力を振るわれ、傷や痣があれば一時的に民間シェルターに避難することができると言われました。
ひどい暴力に苦しんでいる場合は、実家に相談することも大切ですが、実家に逃げたところで所在地がばれて連れ戻される危険性もあります。
市や区の無料相談を利用して、民間シェルターを案内してもらう方が安全です。
4.離婚準備中にまとめておくべき!持ち出した方がよい物とは?
そうそう、離婚準備中にまとめておいたほうがいいものもあるよ。
子どもの関係のものと、自分の関係のもの以外にもあるの?
離婚準備期間に別居をする場合、何度も家に戻って夫と顔を合わせないためにも、荷物確認をしっかり行うことが大切です。
◆持ち出しておいた方がよい物リスト
・預金通帳
・キャッシュカードと印鑑(銀行員・実印)
・夫名義の通帳のコピー
・不動産権利書(夫名義の場合はコピー)
・貴金属
・身分証明書
・健康保険証
・パスポート
・生命保険などの保険証券(夫名義の場合はコピー)
・DVの診断書や不倫の証拠
・パソコン
・スマホ
・隠されて困るもの
・子供と自分の洋服
・子供の写真などの大切なもの
不動産権利書や保険証券のように、共有財産とみなされるものは持ち出さずにコピーを取っておきましょう。
可能であれば、学資保険の契約名義変更を済ませておくと安心です。
一旦別居をしてしまうと簡単に家には帰れません。自分や子供のものは残さずに持ち出せるよう、チェックリストを作成しておくと便利でしょう。
別居の際に最も重要なことは、子どもと一緒に家を出ていくことです。
裁判所は殆どのケースで、別居後に子供の面倒を見ている方の親を親権者に指定しています。離婚後も子どもと一緒に生活したいのであれば、絶対に子どもと一緒に行動しましょう。
◆内密に離婚準備や別居準備を進める場合に注意すべきこと
・ばれない程度の少量ずつ、荷物を実家に送っておく
・出ていったあとに住む家を先に探しておく
・夫には今まで通りにふるまい、離婚を勘付かれないようにする
・仕事を探したり資格取得に励む
荷物を少しずつ新居や実家に送る際は、貴金属や洋服といった夫が気づきにくいものにするとよいでしょう。
5.離婚準備中のこどもへの配慮
それから、忘れちゃいけないのが、子どもたちへの配慮だよ。
子どもたちはとても敏感でデリケートです。
夫婦仲が悪くなってきているのも気づいている子が多く、不安から夜泣きしやすくなったり甘えが強くなったりすることもあります。
離婚に関しては、子どもを傷つけたくないばかりに嘘をついてしまうお母さんも多いです。
しかし、嘘をつくことで反対に子供を傷つけてしまうこともあるので、正直に1人の人間としてしっかりとした説明を行うことが重要です。
子どもは、理由がはっきりしないと、自分のせいで両親が離婚してしまったと感じることがあり、精神的ダメージが大きくなりがちです。
離婚の事実を伝えるときにも、感情的になり過ぎず、淡々と伝えることが大切です。
特に気をつけなければならないのは、離婚準備中や離婚直後に、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまい子供に対して配慮のないことを言ってしまうこと。
◆子どもに言ってはいけない言葉
・パパにそっくりでムカつく(パパに似ていてなんだか嫌だ)
・なんでそうやってママを困らせるの?
・パパのところにおいてくればよかった
・パパのところに行けば?
・そういうところ、パパに似ていて気持ち悪い
など、このような言葉は、落ち着いているときのお母さんは絶対に言わない言葉です。
しかし、離婚前後は精神的に追い詰められているため、思わず発してしまうケースもあります。イライラしたときは、深呼吸などの対策をとりましょう。
6.みんなはどんな理由で離婚しようと考えているの?
子どもが辛い思いをするほどに夫婦仲が悪くなって、離婚することになる原因ってなんなんだろう?
離婚したいと考えているが、ただ単に自分の忍耐力が足りないだけかもしれない…と不安に思う人もいます。離婚を決断した人は、いったいどのような理由で離婚届けを提出したのでしょうか。
まず、離婚平成27年度に裁判所へ離婚を申し立てた総数は、男性17,776件、女性47,907件の合計65,683件です。
主な離婚理由の詳細を見ていきましょう。
申立て理由 | 男性 | 女性 |
性格の不一致 合計30,280件 |
10,900件 | 19,380件 |
不倫や浮気 合計11,280件 |
2,637件 | 8,643件 |
暴力をふるう 合計12,387件 |
1,505件 | 10,882件 |
過度な飲酒 合計3,493件 |
424件 | 3,069件 |
性的不調和 合計5,979件 |
2,326件 | 3,653件 |
浪費 合計7,629件 |
2,209件 | 5,420件 |
病気 合計2,241件 |
913件 | 1,328件 |
上記の数字を見てみると、妻が離婚を決断するのは、約半数が性格の不一致なのが分かります。暴力、不倫などは合計で23,667件となり、申し立て総数の1/3以上です。
参照:平成27年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所
各項目の男女合計数と総数を比較すると73,289件となり、項目ごとの男女の合計数を合わせた数字の方が多くなるため、性格の不一致のように数字の多い項目は、異性関係や性的不調和に関わっている可能性も考えられます。
今、あなたは「忍耐力が足りないのではないか?」と不安に感じ、離婚に踏み切れないのかもしれません。しかし、離婚原因の1/3以上に不倫や暴力が挙げられているのです。もうこれ以上我慢する必要がない場合も多いんですね。
不安が強いのであれば、次の「離婚準備中に気持ちが揺れてしまった場合」で紹介している質問に回答してみましょう。本当に離婚すべきかどうかを明確にできます。
7.離婚準備中に気持ちが揺れてしまった場合はどうすればいいの?
ゴン太さんが言った通り、私が離婚したい理由もベスト3位内に入ってた。
う~ん・・・とりあえず離婚?
離婚準備を進める中で、離婚後の生活をシミュレートし、離婚して後悔しないだろうか?と不安になってしまうこともあるかもしれません。
そういうときには、感情よりも理性を第一にし、自分と子どもが一番幸せに暮らしていける方法を考え直してみましょう。
◆本当に離婚すべき?悩んでしまった場合の対処方法
・こどもから父親をとることになってしまう
・離婚して自分ひとりで子どもを育てていける自信がない
・手続きが大変なのを考えると、このまま我慢している方がよいのかもしれない
このように考えて、離婚することを躊躇してしまう人もいます。しかし、よく考えると愛情ではなくただの情だったという可能性もあります。
本当に子どものためになるのは婚姻継続か離婚かです。
子どもには暴言や暴力がなくても、子供が大きくなったときに児童虐待へと繋がっていく可能性もあります。
また、DVやモラハラを繰り返す夫の中には、離婚を察して妻を手離さないために優しくしてくるケースもあるので、慎重に見極めましょう。
こどもがいる場合もいない場合も同様に、過去の思い出や夫への情からくる感情よりも、現在置かれている状況とこの先の未来を考えるようにしてください。
悩んだときは、以下の質問に答えてみましょう。
- 今のまま生活していて自分と子どもの将来は明るいのか?
- 子どもは今、本当に幸せなのか?
- 夫の態度や言葉に惑わされて、自分が何をしたいかわからなくなっていないか?
- 夫の問題点は改善できるものなのか?数回改善を試みてダメだったという結果はないのか?
- 一時的に離婚したいと考えているだけなのか?
質問に答えていくうちに、自分の目指している未来が見えてくるでしょう。
離婚したほうが今の生活よりも大きなメリットがある、将来が明るいと感じるならば離婚しても後悔はしないことが多いです。
ただし、DV(暴言、経済DVを含む)を受けている場合には、考えるよりも先に離婚、別居をしなくては、自分や子どもの心や体がボロボロになってしまうので、両親やカウンセラー、相談員などに話して自分と子どもを守りましょう。
◆離婚すると改めて決めた場合
- 話し合いを進め、協議離婚ができるのかを考える
- 同意が得られない、揉める可能性が高いなら離婚調停の準備を進める
- それでも合意できないなら裁判を行う
上記のように計画を立てていきましょう。
第三者の介入する離婚調停が一番確実に離婚ができ、財産分与や養育費の請求なども行いやすくなります。
協議離婚の場合は、それらも夫婦で話し合って決めていく必要があるので、公正証書を作成するなど、後々困らないようにしておくことが大切です。
「後悔先に立たず」・・・離婚準備は入念に、そしてじっくり進めていくことが大切です。
準備をする上で一番先にやっておきたいことを確認しておきましょう!
>離婚準備であなたが今スグやっておくべき「たった1つのコト」とは?
8.まとめ
離婚準備は疲れることもあるけど、そのあとの幸せのために努力しないといけないんだよ。
離婚をしたいと考えていても、具体的にどう準備すべきかわからなければ不安ばかりが大きくなってしまい、動けなくなってしまいます。
貯金、仕事、住まいを確保し、生活をシミュレーションします。次に共有財産や養育費・慰謝料がどのくらいあるのかを調べましょう。
そして、DVや不倫が離婚理由ならば、証拠集め、別居ならば婚姻費用請求について考えます。実際に別居や離婚と行動に移す前に、契約名義変更をします。
これらについて考えているうちに、本当に離婚してよいのか?と不安に思うのであれば、感情的ではなく、冷静に理性的に自分が幸せに暮らせるのは婚姻続行か離婚かを見極めます。
子どもがいる場合は、精神的ケアも重要なので、落ち着いて真実を伝えるように努めましょう。
考えることがたくさんあるので、離婚には本当に精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。
しかし、ここは最後の踏ん張りどころです。
この記事で紹介した8つの準備を行い、正しい知識を身につけておくことで損のない離婚を成立させることができれば、今よりももっと幸せな生活が待っています。
*男性が行うべき準備については、以下の記事を参照ください。
【男性の離婚準備】親権・DV被害・お金など不利とされる男性がやるべきこと